第612話 息の合う2人・・・

―――――――――――――――ゲーム店



 由里が気を紛らわせるために誘ったゲームに悠一が参加すると。

そのゲームは対戦型のゲームではなく協力がメインのゲームでありグロリアと違った立ち回りを要求されてはいたものの2人の飲み込む速度は速くすぐさま第一のステージを完全攻略する所まで来ていた。



「何とかコツを掴んでボスまで来たけれど悠一君はこういったゲームも得意なの??」

「いやそうでもないかな。

ただやっているうちに操作方法とか細かな動かし方がわかってきたというか・・・

これもグロリアでの生活が生かされてるってことなのかもしれないな。

よしそれじゃボスを協力して倒すとするか。

後方にもできてるみたいだしな。」

と、悠一が語り由里が振り向くとそこには早くボスが見たいと目をキラキラとさせた子供たちが列を作って待っており。

由里は再び悠一に視線を移すとニコッと笑みを浮かべ子供たちに悠一がすごいプレイを見せると大きく語ると子供たちの視線はさらに眩しさを増し由里はクスクスと笑いながらゲームをプレイし始めた。



「わ~すごい!!お兄ちゃんの動きどうやんの!!ソレどうやんの!!!」

「お姉ちゃんもすごく上手だね。

時々お兄ちゃんを見てるけどどうしてかな??」

「ッ!?べ、別にそんなことないよ!?

悠一君ここはいい所でフィニッシュしちゃお!!」

「あ、あぁ・・・なんだかこうやって囲まれて見られるのも初めてでムズムズするけど・・・悪い気はしないな。

よし!!これを倒したら俺の動き方を教えてやるぜ。」

悠一の言葉に子供たちはさらにワイワイと賑やかにするとその後方から耀子が騒ぎを聞きつけてやって来ると2人の戦いを何も言わずにジッと見つめていた。



「そこだ!!お兄ちゃんお姉ちゃん頑張れ!!!」

「頑張れ!!!あと少しだよ!!!」

「そこで必殺技!!!やったーーーお兄ちゃんとお姉ちゃんの勝利だ~~~」

「ハイタッチ悠一君!!やっぱり悠一君とだとすごく立ち回りやすいよ。」

「それも由里がアイテムを回収して落としてくれるからだな。」

「2人とも仲がいいんだね!!」

「もしかしてこいびと??っていうのかな??」

「ストップストップゥ!!!ハイハイ子供たちにコントローラーを渡そうか2人とも!!!

で、私の用事も終わったし外にいこ外!!!」

耀子は子供たちの言葉に我慢ならずこのまま2人の事を言わせておくのもアレと2人の手にもつコントローラーを子供たちに渡し2人を連れて外に出ると・・・・



「2人とも子供たちにあんだけ言われてなにデレデレしちゃってんのさ??

それに私を置いて2人で協力プレイのゲームなんて見せつけちゃってんのかねぇ??」

「そんなつもりじゃなかったんだが・・・あはは。」

「うんうん!!私がたまたま誘ったゲームが強力プレイ専用のゲームだっただけなんだ。

それにあのゲームすっごく面白くてまた遊びたいね。」

由里の言葉にさらにムッと頬を膨らませた耀子は悠一の手を取って今度は自分が相手をしてもらうとゲームセンターになだれ込み由里は今回はちょっとやりすぎたと感じたのか今の間は悠一を連れまわすことを了承したが・・・・・



「その・・・悠一君に変な事をしちゃだめだからね??

絶対の絶対だよ??いい??悠一君もいいなりになっちゃだめだからね??」

「あぁなるべく由里の言ってる様に動くよう努力する・・・あはは。」

「ハイハイ、お別れが済んだのならまずは私の大好きな格ゲーから行ってみよっか!!!はい連れまわすのは私なんだしここは私のおごりだよ。」

と、悠一は小銭を受け取り耀子のやりたいと言った格闘ゲームに小銭を入れるとさっそく対戦モードになり互いにプレイするキャラを選び出し・・・・



「あ、このキャラ可愛い!!悠一君はどのキャラを使うの??」

「そうだな・・・このゲームはやったことが無いから由里の言ってたコレにしてみようかな。」

「もう!!今は私が悠一と格闘ゲーム中なんだからお静かに!!!

んなら・・・私はガチのガチでやってやるんだから・・・・ハァハァ・・・」

耀子はこの場で悠一をコテンパンにしてどれだけ差があるのかを見せつけようとキャラを選びさっそく戦闘になっていた。



「悠一とったらぁぁ!!!おりゃりゃりゃりゃ!!!!おりゃぁぁ!!」

「さすがに通いなれてる耀子の動きは鋭い。

だが、どの動きの中にもきっとスキがあるはず・・・・このタイミングで・・・どうだ。」

「あ、攻撃がヒットした!!ごめん・・・静かに見てるから・・・あはは。」

由里の声に耀子はスッとにらみつけるとその間に悠一はボコスカと耀子のキャラを殴っており・・・そこから立て直すことができず1勝目は悠一に星が付き。

それからの戦いも耀子は鋭い動きで悠一のキャラにガンガンと攻撃を叩き込むがガードのキレがいい悠一のキャラにカウンターをモロに受けてしまいまたしても立て直すことができずに耀子は完敗してしまっていた。



「ぬあぁわぁぁぁぁ!!!!なんで!?どうしてなのさ!?悠一ここはワザと負けて私に花を持たせるところじゃないワケ!?」

「いや、耀子の場合手を抜かれるのも嫌うだろうと思ったからコマンド通りに動かしてみたらこのキャラが以外にも扱いやすくてな・・・・なんか悪いな。」

「でも耀子もすごくいい動きだったよ。

あの攻撃から必殺技なんて考え付かないよ。

悠一君もしっかりとそこに注意してガードしてたから本当にすごいコンボだったと思うよ!!」

由里の言葉に耀子は完全に見切られていたことを悟り次のコーナーに行くと言って悠一の腕を掴み移動すると今度はクレーンゲームのコーナーへとやって来ていた。

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