第599話 途中結果

―――――――――――――――海底神殿



変異モブのグロードバッシュを倒したムクロたちはリスポンしないボスのフロアを有効に使い休憩を取り始め。

ある者は武器の手入れをしておりある者は金貨の枚数を数え・・・・その中でムクロは1人離れた場所で地下とは思えない広さの天井を眺めていた。



「ん~~~~ハァ~~~何とかあの大きなモブを倒し切ったけどクリア項目が出てないとなるとまだまだこの先にはモブが控えているんだろうな・・・・」

「あ、ムクロ君こんなところにいた!!

あっちでクーリアたちがムクロ君を呼んでいたよ??だから一緒に・・・どうかしたの??」

ユリハはムクロに問いかけるが返事が無く・・・そっと近づくとムクロは疲れているのか寝息を立てており。

その戦闘以外で見せる顔とは違う寝顔をみたユリハはクスクスと笑みを浮かべながらムクロを起こそうとした時・・・・



「んん?ついウトウト・・・・ユリハ?どうしたんだ??何かあったのか??」

「わぁ!?お、起きたんだね・・・あはは・・・うんちょっとムクロ君に用があるってクーリアから探す様に言われて探しにここに来てみたらムクロ君は寝ちゃってるし・・・私は起こそうとしたんだよ!?」

ユリハは焦りながら疑われてもいない事で自分の潔白を語るとムクロはユリハになら悪戯されてもいいとからかうように笑って呟くとユリハはムクロの頬をツンツンと突きじゃれていると待ちきれないのか探しに来ていたクーリアたちの声が聞こえて来ていた。



「おぉ~~いユリハぁ~~~ムクロッちはそこにいんのぉ??

いたのなら早くこっちに連れて来てよねぇ~~私疲れてんだからさ??

それとも《《こっちに来られないようなコト))をしてたとかじゃないよねぇ??」

「ム?それは私も見過ごせないな。

すぐにこちらに来るのであれば何もしていないと判断するがどうなのだ??」

「あはは・・・2人とも心配しなくても俺ならここにいる。

よっと、それじゃユリハも一緒に戻るか。」

「うん、今度はそっとイタズラしちゃうから覚悟しててよ?」

ムクロはユリハを立たせて共にレイ達の待つ場所まで移動しクーリアの話を聞く態勢に入った途端クーリアは自分の獲得した金貨の枚数の自慢を始め出した。



「ぬえっへっへぇ~~私今回のグロードバッシュとかザコモブから稼ぎに稼いで金貨が300枚を超えちゃったんだよねぇ~~どうスゴクない??

私の日々の運がこの時とばかりに大爆発してジャックポットって感じぃ??

って、なわけでムクロッちたちは枚数どうなってんの??作戦会議の前に軽く聞かせてくれないかな??」

「俺たち全員の枚数を聞いても奥はないと思うが、クーリアが望むのなら答えてやらないとだな。

俺は総合計で金貨換算すると1260枚だ。」

「さすがはムクロだなそれにモブのラストキルが多かったのもその獲得量の差に生じたのだな。

では次に私は・・・450枚だな。」

「ミストもそれなりに集めてるね!!私は200枚ちょっとかな??

換算のやり方がわからないから・・・あはは。」

「アタイは340枚なのじゃ!!!主殿には全然落ち着けないのじゃがお風呂のバフ効果は大したものなのじゃ!!!」

「私は630枚だよ。

喜んでるクーリアに悪いけどモブを倒した量はムクロ君と同じくらいだから・・・」

「私は89枚よ。

今回の私はバフをかけることが多かったからこんなものね。

他にアイテムが出ることもなさそうだから手を抜いていたのだけれどクーリアに差があるのは少しムカッとするわね。」

と、各自それからも自分たちが獲得した枚数を告げて行くにつれクーリアの表情は次第に辛さを増していきついには大きく吠え始めていた。



「うぎゃぁぁおおぉぉぉ!!!なんじゃいそのドロップ!!!

私なんてこれだけ頑張ってこんな枚数なのにさ!?

ムクロッちは病的にモブを倒したりしてるのは分かるけどユキシロたちはどうしてなのさ!?どうしてそんなにドロップして・・・・・まさか・・・秘湯のバフでの効能・・・・ちょっとステータスを見せて!!!」

「のじゃ???クーリアはアイテムの量に差が出るとすぐにチーター扱いで見るのは良くないと思うのじゃ。

じゃが今回のアタイはチーターと間違われてもおかしくない程のバフが装着されておるのじゃ!!!ぬぇっへん!!!」

ユキシロは自信満々にステータスを公開画面にしてクーリアに見せるとバフが複数かかっているのは間違いはなくその中でひときわクーリアが驚いたバフがかかっていた。



「な、なんでユキシロに私の欲しかったバフのアイテムドロップ効率3倍が入ってんの!?あぁ・・・もう私の運がちっちゃな星の砂程度に小さく見えて来ちゃうよ・・・・しゅんッ・・・」

「あ、あれ??アタイのバフを見た途端どうしたのじゃ??

そんなにすごいものだったのかのぉ???」

「そうね、アイテムドロップ効率はモブ1体1体から出るアイテムの効率を上げる性能だから今回の戦闘でそれだけなのだとしたらこの先の戦いで上手く集められたらムクロをも超えられるかもしれないわね。」

「うむ、クーリアがここまでのリアクションをするくらいだからな。

本当に物欲何とかというものが働いているのかもしれないな。」

「物欲センサーね!!私も少しはゲームに関して知識を得たから知ってるわよ!!

確か欲しい欲しいと願うアイテムがことごとく手に入らない事を指すんだったわね!!

でも私にはそんなセンサーは通用しないわ!!!何せこれだけ高貴で何でも持っている私なんだから!!!」

「ヴァニスが語るとアレですがお金持ちの神経と言うのは皆こんな風にぶっ飛んでいるのでしょうか??

グロリアの世界にはお金で買えないモノは存在しないと言う事なのでしょうか??」

ヴァニスの発言にレイが質問をするとヴァニスは困った顔をする中ムクロは1人笑い出しユリハの手や落ち込むクーリアの頭に触れ・・・語り出した。



「いや、レイ・・・この場にいる俺たちはどれだけお金を積まれてもきっと買えないモノだぜ?

ソロの時には感じ得なかった背の安心感も全部ユリハ達が一緒だったからわかった事だしこうやってレイ達と話せるこの場もお金で買う事は決してできない大切なものだと俺は思う。

だからヴァニスの言っていることは一部のモノであって本当に買えないモノはこうして触れないとわからないモノだってあるわけだ。」

ムクロの答えにユリハ達もコクリと頷いて手を握り返すとクーリアもそっと頭から手に移し替えて元気を取り戻しレイはその中心であるムクロに飛び掛かり態勢が崩れていた。

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