第581話 変容するドラゴン

――――――――――――――イベントフィールド:グランドコロシアム



 クーリアの放ったスペルを全身で浴びたドラゴンは体に妙なラインが現れており・・・強化された状態になったことでさらに強敵になったとムクロは呟きつつも攻撃に出ており。

ドラゴンに攻撃を与えるも次の瞬間には攻撃した部位から電撃が迸っていた。



「ぐあぁ!?クーリアの電撃を攻撃のカウンターに使ってるのか・・・・

攻撃に使わずに防御に使うなんてな・・・想定意外だぜ。

そう思わないか?ユリハ??」

「うん!!!援護に来たよムクロ君!!!」

「で、この状態のドラゴンはどうすればいいの??

近接攻撃はムクロみたいに反撃されちゃうのでしょ??

それとも強化が解除されるまで逃げ回るとか??」

「いや、あのドラゴンはそう易々と私たちを見逃しはしないだろう。

だから攻撃をしつつもカウンターを喰らう前に離脱をするのはどうだ??

避けられる速度なのならやりようがあるのだがな。」

「グギャァアァァァッ!!!!!」

駆け付けたユリハ達とゆっくりと話をさせないようドラゴンは火炎ブレスを吐きミストたちを散らすと・・・ドラゴンはそのままヴァニスの方向へと突進していた。



「やっぱり私ってモブに舐められるスキルでもあるのかしら??

人気者も困ったモノよね。

それじゃ逃げるのをやめて攻撃に出てあげるわよ!!!

――――――――――――高貴な私のスキルを喰らいなさい!!!」

「ヴァニスが攻撃に出たのなら私たちも攻撃をしないとな!!!

ムクロはポーションで回復させてから来るがいい。

そこそこ消耗もしているのだろ??」

「へへ、ミストにはバレバレか・・・ん?ユリハ??」

「はい・・・これ、ムクロ君のために作っておいた上級回復ポーション。

私の製作スキルだとあんまり美味しくないかもしれないけど飲んで。

ポーションの効果は同じだから・・・」

ムクロはユリハから手作りのポーションを受け取りユリハの説明が終わっていないのにもかかわらずポーションを飲み干しユリハに感謝の言葉を述べると2人はミストとヴァニスの方へと駆け出し追撃を開始した。



「ゼアァァァアァァッ!!!!!

―――――カウンターのタイミングは掴んだから同じ手は食わないぜ!!!」

「ここに一撃ッ!!!そして次ッ!!!

―――――――――まだまだ私の攻撃はこんなものじゃないわよ!!!

――――――――――4連星突きフォースターレイン!!!」

「ヴァニス、ドラゴンの攻撃が来ているぞ!!!

そしてこっちががら空きだ!!!!

―――――――――――――煌めけ!!!アークブレイクⅡ!!!」

「そんなの見たらわかるわよ!!!

電撃ビリビリの攻撃なんてこうやって避けてから私がカウンターしてやるわ!!!

どうかしら??私だっていつまでも駆け出しじゃないのよ??」

「へぇ~やるじゃない。

それはそうとドラゴンの模様が薄れてきているって言う事は電撃が消えると言う事よね。

だったら今度はヘマしないようにスペルで攻撃してやんなさい。」

「い、言われなくてもわかってるよ!!!

ちょっとくらいハンデを上げた方がバトルが盛り上がると思っただけだし!?

私のスペルはここからが真骨頂なんだから!!!

――――――――そんじゃ雷の次は熱い一撃いってみよっか!!!

―――――――――――舞い落ちろ!!!星屑落としスターストライク!!!」

「それじゃ私はサポートに回ってあげようかしらね・・・コレ以上ミスをされるのも困るものね。

――――――――――ブルーフレームバリア」

エリエントはクーリアのスペルのサポートと称しドラゴンにを逃がさないよう青い光でフィールドを固定しその真上からクーリアの放ったスペルが突き刺さりドラゴンに大きなダメージを与えていた。



「よし、コレで翼は使えなくなった。

後は残った体力を削り切れば俺たちの勝利だが・・・ヤツのあの目はまだ何か隠し持ってる目だ。

―――――――――みんな・・・気を付けろよ!!!」

「あぁそうだろう・・・むしろそう来なくてはな!!!

そうでもなければこれから援護に来てくれているプレイヤーたちの手柄が無くなってんしまうからな!!!」

「うおぉぉおぉ!!!!やっと間に合ったぜ!!!

ボスの体力も黄色を超えて赤色までもう少しだ!!!

お前ら最後の最後まで全力で叩き潰せ!!!!」

「うおぉおぉぉぉぉぉぉお!!!!!!!」

プレイヤー達は治療を終えてムクロたちと合流し攻撃はどうすればいいのかと尋ねて来ており。

これからドラゴンの動き次第では全員でかかかると言う傍でドラゴンは青黒いオーラを出しのスキルを使っていた。



「オイオイオイ、何だよありゃ・・・・ドラゴンの体に無数の目が付いてんぞ??」

「気持ち悪いフォルムになりやがったが・・・形状の変化だけで強くなったわけでもなさそうだ。

ここは様子を見るために俺たちが出る!!!

行くぞお前達!!!ここで恩を返す時だ!!!」

「グギャァァアアアァァァァアァァ!!!!!!!」

「ッ・・・ドラゴンのすごい鳴き声・・・・みんなはどうなって・・・・

―――――――――ツッ!?何かに貫かれてる!?」

「何という攻撃だ・・・無数の目のようなのが睨んだと思えばその対象者の体が何かによって貫かれている・・・こんなスキルがパッシブ系の形状変化??」

「あぁきっとアレは攻撃をするスキルじゃなくて攻撃事態を別のモノに変化させるジョブチェンジに近い形状変化スキルだ。

一度に複数人を攻撃できるレンジとか少しやりすぎだが何とかして打開策を見つけないとやられるのも時間の問題だな・・・・ここはどう出るかだが。」

「ねぇムクロ、ここは全員で一気に攻撃に出るべき所じゃないの??

私たちの数は多分あのドラゴンが一度に攻撃できる人数を超えていると思うの。

どうしてかは分からないけど・・・・ん~女の私の勘だからきっと当たってるわ。

それに誰が先に出ても攻撃されるのなら的は多い方が効果的じゃない??」

「そうだぜ!!!俺たちが攻撃されてもアンタたちが攻撃されても恨みっこはナシだ。

アイツの腹に攻撃さえ届きゃ俺たちの勝ちならそこの肝っ玉のすわった嬢ちゃんの案を俺はアリだと思うが??」

「俺もそれでいいぜ。

こんなにボロボロになった体を手当てしてくれたのはそこにいる嬢さん方たちだ。

その嬢さん方の為に体を貼れるのなら本望だぜ??なぁ!」

プレイヤー達の覚悟は決まり、ムクロもヴァニスの立てた案に恐れや恐怖など感じず。

誰かがあのドラゴンに辿り着き倒すだけのシンプルな内容に納得しこれから最後の攻撃に出るとヴァニスの案を採用すると言ってムクロはヴァニスに開始の合図を任せ持ち場に着いた―――――――――

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