第552話 初めてのことだらけ

―――――――――――――――――ゲームセンター



 耀子の行きつけであるゲームセンターへやって来た悠一たちはぐるっと店内を見て回り・・・アイリスがやりたいゲームは何かあるかと問うと。

アイリスは定番のクレーンゲームをプレイしたいと言うが・・・・



「アイリス、アレは経験者じゃないとやらない方がいいよ??

ここの店以外にもだけどゲームセンターは景品が簡単に取れるところと取れないところがあってさ?

ここはある意味玄人レベルの技術を要する場所で私でも苦戦するレベルだからケガして泣く前に止めておいた方が・・・・」

「でも面白そうだったから・・・この景品を掴んで落とすだけでしょ??

だったら1回くらいチャレンジしてみたい!!!だめ??」

「わかった、そう言うことならホラ・・・そこに入れてるとゲームが始まるからプレイしてみたらいい。」

「クレーンゲームって昔から苦手だったなぁ。

何回やっても取れなくて・・・えへへ。」

「私もこういう大きいモノじゃなければできるのだが。

本当にこれは取れるのか??アームから考えて相当な技量を要されるクレーンゲームと見ているが。」

涼孤たちの見守るクレーンゲームの景品はそこそこに箱が大きくアームのセットする位置が大きく関係すると見つめているとアイリスは何の躊躇もなく100円玉を入れてプレイを始め・・・・耀子に簡単に操作手順を教えてもらいながらプレイすると・・・・



「アレ??この機種は取れやすかったっけ??

私の目の錯覚じゃなかったら・・・これはイケるよ??」

「わ~~い!!!とれた!!!景品が取れたよ!!!」

「すごいね!!アイリスちゃんってこういうゲームに素質があったんだね!!」

耀子は初めてのクレーンゲームでいきなり景品を掴み取るアイリスを見て火が付いたのか・・・自分も負けてはいられないと札を硬化へ両替し。

次々とお菓子系統をポロポロと落としていく中、アイリスたちは違う方面に移動しており。

今ではプレイする人があまりいないビデオゲームの台に座ってゲームを眺めていた。



「へぇ~~こんなゲームもあるんだね。

私グロリア以外のゲームをした事がないから新鮮に見えるけどこれって面白い??」

「シューティングゲームか。

これは多分彩花が特異なジャンルじゃないか??」

「射撃が得意だからってシューティングゲームが好きとは限らないとは思うが・・・彩花さんなら嗜んでそうだな。」

「対戦プレイできるパズルゲームとかあるみたいだし私とやってみない??

このゲームは小さいときに古いゲーム機で遊んでた思い出があって・・・どうかな??」

「ゲームをするのなら耀子の邪魔が入らない今がチャンスよ。

耀子が来たら自分が勝つまで相手させられそうじゃない??」

コトハのリアルな回答に由里たちは苦笑いし、悠一は2人に古いビデオゲームという事もあって50円玉を手渡すとアイリスは見た事のない新たな硬化に驚きつつもコインを入れて由里との対戦プレイをすることとなった。



「それじゃ私はこの女の子で行こっと。

アイリスちゃんはどれでプレイするの??」

「ん~~この強そうな男の子にしよっと。

後はこれを押して・・・バトルスタート!!!」

「意外とアイリスはゲームにノリノリだな。

これは耀子が見たら完全に相手役にされそうだ・・・・」

「だな、だがゲームの途中で妨害はしてこないだろうしもう少しこのまま2人の対戦を眺めてよう。

初めてのアイリスが経験者の由里とどのような戦いを繰り広げるのか見ものだと思わないか?」

「それは同感ね。

自分のプレイしたことのある経験者と所見のプレイヤーとの戦いは一方的になるかビギナーズラックで逆転勝利を収めるか・・・見逃せないわね。」

と、耀子の監視をするのを止めて2人は由里とアイリスのパズル対決に目をやると本当にいい戦いを繰り広げており。

由里が消すとアイリスも同じように消し・・・パズルのスピードと消し方の差で経験者の由里が勝者となった。



「あぁ~負けちゃったぁ。

でもこのゲームはすっごく面白かったわ。

スキルのタイミングと消すコツを掴めば今度は由里さんに勝てるかも!!」

「うん!!アイリスちゃんこのゲームもすっごく筋がいいから次戦う時はもっと頑張らないとだね。

で、ずっとそこから耀子が見てるんだけど・・・・」

「2人ともぉ~~~景品集め競争はどうなっちゃったのさ!?

私だけにお菓子を沢山取らせといてアイリスと対戦プレイとか裏山ウラヤマなことまでしちゃってさ!!!

もぅ・・・こういう面白イベントがあるのなら私も誘ってよぉ~~

で、次は何する??格ゲー??それとも協力ガンシューティング??」

「あはは・・・ついに見つかったな。

それにしても数分の間に結構な景品を取ってくるところを見ると耀子の腕はさすがだな。」

悠一は耀子の手に持つ袋から見えた景品を見ながら答えると。

耀子は照れくさそうに答えている間にアイリスは席から離れ見た事のない自販機の前に立っていた。



「あの、これって・・・・もしかしてアイスの自動販売機??」

「うんそうだよ??あぁ~もしかしてアイリスはこのアイスが買える自動販売機も見た事ない??

まずは食べたいアイスを選んで・・・その料金を入れてぽちっと押せば・・・・

ほらケースに入ったアイスが出てくるんだよ。」

「私も甘いものが食べたくなってきたから買おうかな。

アイリスちゃんはどれがいい??買ってあげるよ?」

「時期的に冷たいものが食べたくなる季節だから私も買おうかしら。

――――――――涼孤さんは何か買うの??」

「そうだな、私はこのシャーベットにしようかな。

あっさりと食べられて喉も乾きそうにないからな。」

と、悠一たちも耀子と同じようにアイスを買って食べ始め。

アイリスは自動販売機から出てきたアイスを口にすると家で食べるアイスと違う味に驚きつつ他のアイスにも目をやっていた。



「アイリスってお嬢様だけあってこんなアイスの自販機でも喜んでくれるって安上がりでいいと言うかなんというかだね。

というよりもアイリスって家じゃどんなアイスを食べてんの??色のついたものとか出てこないの??」

「ん~アイスが食べたいって言うと、ミルクのアイスが丸くなって出てくるからアイスって全部あんなのかな~って思ってたの。

でもこうやってゲームセンターに来てから色々な面白いものが見れて感じれてとても楽しかった!!みんなありがとう。」

アイリスの満面の笑みを見た悠一たちは次はキャンプ場でもっと楽しもうと言って時間がある程度経過していたために現地で解散することになり。

アイリスの迎えが到着し車で帰って行く姿を見送った悠一たちも自分たちの家へと帰路についていた―――――――――――――

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