第537話 戦闘中の進化と変化

―――――――――――――――荒野フィールド



 ライザーの窮地からムクロが救うと、そのスキを突いてライザーは強烈な一撃をアンノウンに叩き込むが体力バーの事を気にも留めていないのかアンノウンは全身で受けきり次の攻撃モーションに移っていた。



「野郎・・・・痛みも何も感じねぇのかよ・・・・それにこんなにも形状が変わるヤツ見た事ねぇぞ。

ムクロは何か知ってるか??コイツの事をよぉ。」

「あぁ、コイツは俺たちもちょっとした事情で追ってるアンノウンだ。

能力にも個体差があるのかは知らないが・・・相も変わらず自分体を何とも思わずに攻撃を仕掛けてくるところから見ると前回戦ったのと大体は同じのようだが。

武器が違うのと形状が変化しているな・・・・」

「ライザー団長!!!ムクロさん!!!攻撃が来ます!!!

――――――これって・・・体から何かが生えてます!!想像のつかない行動なので私も一時離脱します!!」

副団長が攻撃を弾き返し移動すると、アンノウンの体から数本の触手が現れ。

それはよく見ると手のような形をしておりしっかりと指が動いているようにも見え。

アンノウンは体を低くし、急速なジャンプからの数本の触手をムクロたちへ飛ばしていた。



「うぐッ・・・・この手は厄介だな・・・武器判定でダメージが出ていないと言う事は不用意に攻撃されるのはマズイな・・・ライザーは無事か。」

「あぁ・・・何とか攻撃を弾き返したがありゃ普通じゃねぇな。

イレギュラー中のイレギュラーだが・・・さぞ倒した際のドロップは美味いんだろうなッ!!!!うおぉぉおらぁぁぁぁあぁぁッ!!!!

―――――――――――――剛撃穿斧ごうげきせんそう!!!!!!」

「ライザー団長の渾身のスキルが決まった!!!

あれなら体力がある程度は減ってるはず!!!!団長さすが!!」

「ウロォォォォォォォオォオオォオ!!!!!」

ライザーの攻撃の際に起こった砂ぼこりに2人の様子が見えなくなった瞬間、アンノウンの叫び声と共に砂ぼこりは消え去っており。

ライザーのスキルがヒットしているかのように思えたが、攻撃はギリギリのところで触手の腕に護られており当たっておらず・・・逆にライザーはアンノウンの触手に掴まれ強烈な一撃を喰らって吹き飛ばされていた――――――――



「ごはッ・・・・ぐはッ・・・・ツアァァ・・・・ありゃ反則だろ。

ぐがぁぁあぁぁッ!!!ちくしょーが・・・体力はまだ黄色バーだな。

副団長はギルドに戻ってろ。

コイツに捕まると副団長はやられかねねぇからよ。」

「いやなこったです。

ライザー団長の命令でも副団長の座を下ろされようと私はここから団長とムクロさんを置いて逃げるわけにはいきません。

それに・・・私だって少しくらいは役に立ちますから。

ムクロさん・・・私が突撃しますのでそのスキにあのアンノウンとかいう気持ちの悪いエネミーに攻撃をお願いしたいのですが・・・」

「そうだな、それがいい作戦なんだろうな。

けど・・・そんなことしたらライザーに何て言われるかわからねぇしさ。

副団長はライザーの治療を頼めないか??ここは俺1人でやりたいんだ。」

ライザーがムクロに怒鳴りつける前に語った内容にライザーは副団長に下がるように伝えたがムクロの目と少しでも状況が良くなるのならとムクロの言葉と命令を受けた副団長はライザーの元へと駆け出して治療を開始し。

ムクロはアンノウンが待ち構える方へと出向き・・・武器を構えると――――――



「グロロロオオロロロロロロッ!!!!!」

「そう来ないとだ・・・・攻撃はあらかた見切っている。

このままその触手とお前の体力を全て削らせてもらうぜ!!!!

――――――――――ブレイブダンスッ!!!!」

「ぐぐぅ・・・・副団長どうして命令を聞かずバカなムクロの意見を聞いたんだ!!!

ここにいたらいずれお前も・・・・」

「バカなのはライザー団長の方よ!!!

私がここで逃げられると思ったの!?そんなのできるわけない・・・できるわけないじゃないですか。

今ここで逃げ帰ったら仲間たちに合わせる顔もないしライザー団長の顔も見れなくなっちゃうじゃない。

だから私もここで最後まで戦います!!!

ムクロさんの命令に従ったんじゃない!!!私自身のできる戦いをするために残ったんです!!!

だから少し痛むかもしれないけど・・・我慢して!!!

―――――――――治療開始ッ!!!」

副団長がライザーの傷口に治療用のアイテムを使用すると、そのアイテムの成分が強かったのかライザーは声を上げて叫んでおり。

その間もムクロとアンノウンは激しい戦いを見せつつもムクロはアンノウンの触手を全て切り落とすことに成功しアンノウンは打つ手なしのように思えたが・・・・・



「ウグゥゥゥゥゥ・・・・グゥォォォォォオオォォォォオ!!!!!!」

「まだ触手を出せるのか・・・それはMPによるスキルでの召喚になるのか??

それとも寿命を削っての攻撃か??

何方にせよただ事じゃないよな・・・ソレ・・・・数が前よりも増えてるし捌き切れるか出たとこ勝負ってか・・・・」

全ての触手が切り落とされたことによってアンノウンは更なる力を解放したのか体中をグチャグチャと変化させて再び多数の触手を体から生やして感覚を確かめつつムクロへ数本の触手を飛ばして攻撃を仕掛け。

その攻撃を避けて本体に攻撃を仕掛けたムクロであったが、先程までとは違った行動をアウンノウンが見せており。

それは・・・先ほどまで自分自身の体を守ると言う行為をしてこなかったアンノウンが触手で自分の体を守りムクロの攻撃を受け止めていた。



「へへッ・・・さっきまでとは打って変わって対応が違うって言うことは。

お前・・・進化したって事か??」

「ヴェアァアァァアァァァァァァッ!!!!!!」

「ぐぞッ・・・イツツ・・・副団長お前こういった傷を本当に治療した経験あんだろうな!?

メチャクチャ薬品が染みて痛いんだがな!!!!」

「そ、そんなこと言われても手順なんてよくわからないし・・・・

唾でもつけてれば治るとかいうから試してみるのはどう??

それにけが人はけが人らしく大人しくにされてたらいいの!!!」

副団長の手荒な治療の中でムクロの攻撃を掴んだアンノウンは妙な動きをし始め・・・アンノウンには顔がないのにも関わらずムクロの問いかけに反応したそぶりを見せてムクロを投げ飛ばし。

大きく鳴き声を上げながらアンノウンは治療しているライザー達を見つけ次のターゲットとして狙いを付けていた―――――――――

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