第432話 メイン食材は現地調達

―――――――――――――――プライベートホーム


 ムクロがお茶を飲んで待っていると・・・

先に出て来たのはクーリアで、その恰好はいつもの戦闘用の服ではなく。

どこかで買って来たのか街を少しで歩くような私服を着ており。

その恰好を見せつけるかのようにクーリアはムクロの前にやって来た。



「どうどう!?私の私服ぅ~~街で色々と買ってため込んでてさぁ~

ん?ムクロッちィ~~どこみてんのさぁ~~私の太もも??それともどこかなぁ?」

「コラ、クーリア!!!ムクロにベタベタし過ぎよ?

ムクロも嫌なら嫌だってしっかり言わないと駄目よ??

そ、それと・・・私の私服はどう・・・かしら??似合う?」

「あはは・・・2人とも似合ってる。

だが・・・後のメンバーが全然出てこないんだが・・・・どうなったんだ??」

「アタイはすでに準備完了なのじゃ!!!

―――――――――ぬっふぅ~~~ん!!!」

「ユキシロ!?それは色々と違うと思うよ!!!

シュノーケルだっけ??それは確か海で使うものだよ!!!

今回は海にはいかないんだよ!!」

「本当にみんな舞い上がっているな。

私も久々に涼し気な格好で・・・ムクロに視線を独占かな??フフ。」

「いえいえ、ご主人様は私の私服以外は興味ないと仰られております。

ですから視線は私、レイが独占にございます。

「あはは・・・2人とも似合ってるけど露出度高くないかな??

あと、アヤカもちゃっかり着替えて来てるね!!それにその衣装どこで買ったの!!すっごく可愛いくて似合ってるよ!!!」

「そ、そう??

私こういうセンスないから適当に買ったのだけど・・・そう言ってもらえてよかったわ。

ムクロがどうとか関係ナシで素直に褒めてくれたのが特にね。」

と、ユリハ達も何故か私服に着替えて来ており。

ムクロを除いたメンバーが全員私服なのに対してムクロだけが戦闘服の状態でいると・・・・



「ねぇ?ムクロッち・・・私たちがどうして私服になってんのにムクロッちだけが戦闘服のままなワケ??

フツーどう考えたって私たちが着替えているのを見たら自分も着替えないと・・・とか思わなかったの!?」

「あ、いや・・・俺はこのままでいいかなぁって・・・ダメか?」

「本当にムクロはこういう時の空気が読めないな・・・

私たちが私服になったのならムクロも私服になる!!ハイ、着替えてきなさい!!」

ミストの掛け声にムクロは自分の部屋に向かって衣装を選び始め、季節的に合いそうな衣装を選んでクーリアたちの待つリビングに出ると・・・・



「あぁ~ムクロッちって・・・本当に誰かが見ないとセンスのかけらもない衣装になっちゃう感じ??

現実だとそんなことも思わなかったけどさ??今回のはちょっとダメだよ?

だけどムクロッちが選んで着てきた手前文句は言えないけどさ??

もう少し何かあったんじゃないの??」

「私は良いと思うよ?ムクロ君自身が独特なファッションセンスをしているんだと思うのと、着替えるように言ったのも私たちだから。

それにムクロ君がこれだと思って着て来たのならそれで行こうよ!」

「わ、私もユリハと同意見だ。

だがクーリアの言いたいことも十分に理解している。

この格好はさすがにラフだが・・・戦闘服とは違って新鮮味があると思えば私は逆にアリだとも思う。」

「そうね、いつも同じ戦闘服でモブをズバズバやってるムクロがシャツ一枚のラフな格好って新鮮ね。

ユキシロとファムはどう思う??」

「ん~~そうじゃのぉ・・・直感で言うと主殿の格好は涼しそうで良いと思うのじゃ!!

じゃが・・・何か物足りないのじゃ・・・」

「そうだね・・・・あぁ!!このネックレスとかつけて見たらどうかな??」

「へぇ~ネックレス何ておしゃれなモノよく持ってたわね。

もしかしてムクロへのプレゼントとして持ってたの??」

アヤカの問いにファムはビクッと体を震わせ、モブからたまたまドロップして自分には似合わないからとっておいたと長々しく語るが何名かはファムがプレゼント目的で買ったことに勘ずいた頃にはムクロの首にネックレスがかけられていた。



「これって・・・ブリザードドラゴンの牙か??

装飾品にしてるヤツはいないレアな素材なのに良いのか??

―――――俺がもらっても。」

「む、ムクロには・・・色々お世話になってるし・・・このホームだって使わせてもらってるから・・・気持ちだから受け取っておいてよ。

それと、すごく似合ってる!!」

「何だかファムに先を越されたような気がすけど。

ムクロッちの選んだ黒いシャツ1枚にネックレス・・・・少しヤンチャ感が出てるけどあれくらいでちょうどいいのかもねぇ~

にしても・・・・ブリザードドラゴンの牙かぁ・・・本当なら欲しかったけどプレゼントしちゃったものをもらうわけにもいかないし我慢しないと・・・・でも・・・ちょっとくらい見るくらいならいいよね??」

そう言ってクーリアはムクロの首にぶら下がっているブリザードドラゴンの牙を見ると・・・見れば見るほど欲しくなってしまい。

我慢が出来なくなる前にとエリエントやレイたちがすぐに出発しようと言い出し。

その言葉に意識が戻ったクーリアはブリザードドラゴンの牙を我慢して手から離すと・・・目的の場所を目指して移動を開始した。



――――――――――――――中級層:バーベキュー会場


「わぁ~すごい!!グロリアにこんな素敵なコテージ付きの会場があったなんてしらなかったよ。

本格的なバーベキューセットもあるし・・・本当に楽しみだね!」

「ユリハ・・・もしかして結構アウトドア派??」

「この感じだとそのようね。

で、肝心の食材はどこかしら??」

「ぬぅ??レイレイ・・・アレを見て欲しいのじゃ。

アタイの目が悪くなければ食材は自分の手で集めるようにと書いてあるのじゃ・・・・」

「ハイ、私も今視認いたしました。

で、どういうことですか??クーリア??」

「え、えっとぉ・・・言わなかったっけぇ??

野菜等の材料以外は現地でモブを倒して集めるんだよ・・・・

だって言ってたじゃん!!!食材が沢山ドロップするクエストはないのかって・・・・だからコレがそうなんだよ。

ここ一帯のモブは食材しか落とさないからじゃんじゃん狩ればお望みが叶うってことだよ!!!

だから・・・・そんな目で私を見ないでよッ!?」

エリエントの面倒なことをしてくれたと言わんばかりな視線に謝るクーリアを置いて。

アヤカは自慢の銃を取り出してモブがどの方面にいるのかと探し始めると・・・・



「そうね、スコープ越しだから何とも言えないけど食材を落としそうなモブが前進した先に群れでいたわ。

どんな食材を落とすかわからないけど狩るだけか狩ってみる??」

「そうだな、食材を沢山ドロップしたいって言うユキシロたちの願いが叶うんだったら協力しよう。

それじゃ軽くモブとの戦闘を数回してここに集合で。」

「かしこまりましたご主人様。

私もご主人様に生が付く物を集めて参ります。」

「つまり・・・バラバラに動いて食材集めをするって事だよね??

ん~少し自信がないけど頑張ろっと。」

「とか何とかいって武器出してんじゃん!!!

さぁ~私も食材をどんどん集めちゃうよ!!!」

「はぁ~本当に調子がいいんだから。

それじゃ・・・行きましょうか。」

エリエントの開始の合図で全員が駆け出すと・・・ムクロたちはコテージ周辺にいる草食系モブから多種多様なモブを倒しては食材を集め。

ある程度の時間になるまでそれを繰り返していた―――――――――

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