第423話 レイの盛に盛った料理
――――――――――――――ルゴーの酒場
宴会が始まった途端、ユキシロとファムはテーブルに並べてあった皿を片手にモリモリと料理を乗せて近くに席についてモシャモシャと食べ始め。
クーリアやアヤカたちはその食べっぷりを見つめながら少量の料理を取って果実酒を飲んでいると。
ユリハが何も取らずにいるムクロの隣に座り。
適当に取ってきた料理を並べて再び乾杯を行った。
「ムクロ君、私のとってきた料理で気に入ったものがあったら食べていいよ。
そのために取って来たから・・・・えへへ。
でも、何も食べないで果実酒だけ飲んでたら目が回っちゃうよ?」
「あはは・・・大丈夫だ、アヤカみたいになるまで飲まないからさ。」
「何?私の事について話をしてたような気がするのだけど・・・・
――――――イイ話しかしら?」
「きっとそうじゃないと思うわよ?
いつもこういう場だとアヤカは勝手に目を回してるから仕方ないのだけれど。
飲むペースとか考えた方がいいんじゃないかしら?」
「ご主人様こんなところにいたのですか?
こんな隅っこで飲まなくてもいいと思うのですが?
本当にご主人様はもっと胸を張ってガツガツモリモリ食べてシャキシャキしてくれませんか?
ほら見てください、こうしているうちにもユキシロとファムの暴飲暴食がテーブルの料理を減らしております。
で、何か取って参りますが・・・・何が食べたいですか?」
レイの言葉から逃げる場所がなく、ムクロはリザードマンの肉や食べてて汚れないものを注文すると。
レイはペコリと頭を下げて料理を取りに向かい。
その後姿を見てユリハがくすくすと笑っていた。
「ん?どうしたんだ?何か俺・・・変な事でも行ったか?」
「ううん、ムクロ君って本当にリザードマンのお肉が好きだよね。
パサパサしてるお肉が好きなの?
私はこのローストビーフの方が食べやすくて好きだけど・・・・」
「ん~特にこだわりがあるわけじゃないけど。
よく食べてたモノが安心するって言うか・・・・馴染んでるんだと思う。
安いから市場でも買いやすいしさ?」
「そりゃねぇ~あんな竜族の肉を食べようとするプレイヤーってある意味ムクロッちくらいだよ?
他のプレイヤーなんてリザードマンの肉はゴミとか言って捨てちゃったり
売却したりするしさ。
本来の目的と違うアイテムがドロップした時の扱いの差なんだろうけど・・・・リザードマンのドロップ品で肉ほど好まれないアイテムはないよ。
でさでさ?ムクロッちィ~それとユリハぁ~今回のランキング報酬でゲットしたアイテムってどんなものが入ったのかニャ?」
「始まったわよ・・・クーリアの恐喝まがいの押収よ。
2人も見ておきなさい・・・アレが情報を駆使して人からレアアイテムを奪うクーリアの姿よ。」
エリエントが誤解を招くような言い方をすると、クーリアはその線の情報には耳がよく効き。
エリエントの吐く言葉に強い反応を見せた。
「こらッ!!!エリ~~私の悪口を言うのは禁止だよ!!!
私はこれでも清く正しく美しく情報とレアアイテムを集めてるんだよ!!!
このキョトンとした2人に私のあることないことを吹き込んで妙な噂を撒かれたら溜まったもんじゃないよ!!
だからそんな出まかせは言わないでよね!!!わかった!?」
「じゃが・・・この前、路地裏で見知らぬプレイヤーと肩を組んで悪い顔をしてお金を受け取っていたように見えたのじゃ。」
「私はそれとは違うプレイヤーから見た事ないアイテムを受け取っているのを見たよ?」
「これでも私の言葉がガセじゃないと言えるのかしら?
情報は私が伝える前に2人は知っている様子だけど・・・・クーリアの言い分を聞いてあげるけど何かあるのかしら?」
ファムとユキシロに裏でやっていた内容を暴露されたクーリアは冷や汗を流しながら必死に解決方法を考えたが。
他にも何かあるとマズイと踏んだクーリアは次回からは気をつけると言って謝罪の込められたお辞儀をすると。
ケロッとした表情で再びムクロたちに報酬の中には何があったのかと問うていた。
「結構レア素材も多いが・・・特に必要ないから置いておく程度だ。
剣を作った際に色々と使ったからな。」
「私の方は黒き王者のたてがみ・・・・巨蟲の甲羅とかレア度が高いけど使い道がわからないものばかりだよ。
でも、いつ使かわからないから私も置いておかないと・・・・あはは。」
「いいなぁ~いいなぁ~ユリハの言ってる素材は超高級素材なんだよ?
うぅ~~それに比べて私のはそこそこレア程度な素材の詰め合わせ・・・・
本当にランキングの差だけでこれだけ違うなんて酷いよ!!!
ミストたちは報酬で何かいいモノあった?」
「私のほうは一角獣の真角が報酬の中で一番のいいアイテムかな。」
「アタイはどんなアイテムよりも食料系が沢山あって大満足なのじゃ!!!」
「いいなぁ~私にも何か頂戴よ~~ユキシロぉ~いいでしょ?」
「あなたたちは本当に食以外に関心は無いようね。
ついでに言って置くと私はマナの実と運命のコンパス・・・それに呪殺道具のキラーパペットが手に入ったわ。」
「何だか恐ろしいネーミングのアイテムが聞こえたのだけど・・・・
呪殺って・・・想像するにアイテム効果でデバフ効果がかかるアイテム?」
アヤカは恐る恐るエリエントの手に持っている人形について尋ねるとエリエントはニヤリと笑みを浮かべ・・・・人形をアヤカの方にポイっと投げ渡した。
「うわぁ!?何するのよ!?手で掴んじゃったけど・・・呪われたりしてないわよね??」
「えぇ大丈夫よ、コレは街中じゃ使えないの。
それにPVPでもルール上デスマッチやルールのもうけられてないモノじゃないと使えないし。
あと、知りたがっていた効果は・・・・デバフではないわ。
そうね・・・これを使うとその使われた対象者はその戦闘中このキラーパペットにずっと命を狙われるのよ。
解除方法は使用したプレイヤーが倒れるか相手が倒れるまで効果が続くの。
どう?面白いアイテムでしょ?」
「ぬぅ・・・・とんでもなく危ない品物がエリの手に渡ってしまったと考えるべきか心強いと考えるべきか・・・すごくモヤモヤするのじゃ。」
ユキシロの言葉にムクロたちもいい表情はしておらず。
そのキラーパペットを使う際には細心の注意を払うようにとだけ言うと・・・・
エリエントはクーリアのようにミスをしたりしないと堂々と語り。
その言葉は聞き捨てならないとクーリアはエリの元へ移動して異議を申し立て。
ムクロの隣に皿と飲み物を持ったミストがやって来た。
「よっと・・・ムクロたちは楽しんでるか?
あそこから見ていたのだが何だか浮かない顔をしているのが見えて来てみたんだ・・・えっと、その・・・何かあったのか?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどさ・・・」
「ただいま戻りました。
それはそうとご主人様、リザードマンの肉とその他多くのお料理をお持ちいたしましたのでどうぞお食べになってください。
他に何かあれば私にご指名くださいませ。」
「あはは・・・すごい量だね・・・・ムクロ君これ・・・1人で大丈夫?
――――――――ムリそうなら私も手伝うよ?」
ムクロの目の前にドンと大盛に盛られた皿を置くと。
ユリハとミストは1人ではすべてを食べきるのは無理そうだと察し。
2人はムクロの援護をするかのように大盛に盛られた料理に手を付け始めた。
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