第348話 暴力を行うモノと取り締まる者
――――――――――――――ガンフィールド:定期イベントフィールド
ムクロに視線が集中する中、ムクロは距離を計算しながら懐からダガーを取り出し。
計算用にと木人の頭に向けてダガーを投げつけるとクリティカル判定で点数が加算され・・・何かを閃いたムクロはそのダガーを目掛けてショットガンを乱射し始めた。
「おい、まさか・・・あの野郎・・・ダガーに攻撃してヘッドショット判定を狙ってやがるのか!?
アレは反則だろ!!!」
「そうだ反則だ!!銃で点数を稼ぐ場だぞ!!!」
「いや、待てお前ら・・・俺は別に頭を使って点数を稼ぐなとは言ってない。
それにあの坊主・・・ショットガンをいいリズムで撃ちやがる。
磨けばいいシューターになるぞ。」
「いいわよムクロ!!!少しセコイけどその調子でやっちゃいな!!」
「あはは応援されてるのかされてないのかわからないが・・・・でも、コレで何とかやれそうだな!!!」
ムクロはそのまま木人の体力がなくなるまでダガーに連続でショットガンの弾を浴びせ続けると。
ついに木人の体力が消滅して消えると・・・ムクロは満1000点中765点とショットガンではありえない点数を叩きだし。
ざわざわするアヤカの元に戻り、軽く2人でハイタッチすると。
次にアヤカの名が呼ばれ木人の前に移動すると計算が始まり。
アヤカは銃に長けていることもあり、ものの数秒で木人を消滅させて出た点数は今回の参加者の中でダントツの最高記録で1000点中980点と化け物のようなスコアが出ていた。
「ヘイ、ハイタッチ!!!
どう?私のテクニック??日々の練習の賜物って言うのかしら?」
「やっぱアヤカはすごいな。
ライフルを構えてから木人が消滅するまで構えにブレが出ずに安定させるなんてさ。」
ムクロのショットガンのスコアも相当なスコアであったのに対しアヤカのライフルの点数がすごすぎてなのか他の連中のスコアが平均よりも低くなっていたが。
イベントはそのまま続行され、最後の1人が木人を消滅させると。
次のセカンドステージに出場できるプレイヤーの名前が掲示板に表示されるとアヤカとムクロの名前が上位に刻まれていた。
「やったわね。
でもここからが本当の戦いよ。
次は的が移動して出てくるからしっかり狙わないとショットガンじゃ大変よ。」
「そうだろうな、でも俺はまだまだコイツでやれそうな気がする。
だから、最後まで全力で来いよ。」
アヤカはグーサインで返すと・・・1位からの順でセカンドステージを始めるルールから。
アヤカがトップバッターで開始することとなり、開始位置に立つとセカンドステージが始まり。
最初は快調な滑り出しを決めて撃ち続けていたのだが、ここで思いもしないアクシデントがアヤカを襲った。
「ッ!?くッ・・・こんな時にジャムッた!?
――――――――――くッ・・・・いけぇえぇぇ!!!!」
アヤカは噛んだ弾を取り出し、最速で行動に移すがその微妙な差が時間ロスを招いており。
アヤカのタイムで出たポイントの合算値は1560点と表示されていた。
「あぁ~あ・・・やっちゃった。
起こらないと思ってやってたらこうなるんだもん・・・仕方ないわね。
注意して無かった私が悪いんだし。」
「今のがジャムってヤツか??
でも、それでもアヤカの点数を抜ける奴はいなさそうだな。
さぁて・・・そろそろ俺の番だな。
期待して見てくれ。」
ムクロがそう言って移動すると、指定された位置に付き。
ショットガンをナナメにして撃ち始めた。
「へぇ・・・そういうことね。
散弾をうまく使った戦法ね。」
「ありゃ・・・一体・・・ワザと大きく弾が飛び出すように撃ってんのか??」
「あぁ・・・ショットガンの弾は散弾だ。
グロリアの散弾は現実とは違ってライフル弾が飛び出す仕組みだからな・・・
そのことを知っていた?まさかな・・・ただのまぐれだろうが。
あの坊主の発想は実に面白い。」
主催者や他のプレイヤーはムクロの射撃から目が離せず。
最後のターゲットを撃ち落とすと、ムクロの合算値が表示され。
表示された数字は1615点となっておりアヤカを抜いて1位に上り詰めていた。
「さすがムクロね。
まさか射撃のイベントで負けるなんて思わなかったわ。
それにショットガンで負けるなんてね。」
「俺はただ・・・このショットガンでできることを考えてがむしゃらにやっただけだ。
それにアヤカはトラブルで結果が悪かっただけだろ?だから実際俺はアヤカに負けているんだ。
結果が全てじゃない・・・見えないところで俺たちは戦っている時もあるんだ。
それが今なんだろうなって俺はお思う。」
ムクロの回答にアヤカはクスクスと笑い・・・ハイタッチの構えを取ると。
2人は互いにパンッとタッチし時間が経つと。
イベントの結果発表が行われ。
上位3名であるムクロ、アヤカ、メラトには称号とアイテムが贈られ。
イベントが終わったのだが――――――――
「そこのお前!!一体どんなインチキをしたんだ!?」
「そうだ!!お前の使っていたショットガンで優勝なんてできるわけないだろ!!」
「出たわね、いつもの武器がどうとか腕がどうとか入賞できなかったからって文句を言う低レベルな連中が。
こういうのは無視してホームに戻りましょ。」
「そうだな・・・すまない、道を開けてくれねぇか??」
ムクロがそう言うと、銃を持った連中はムクロに対して銃で殴りつけ。
それに激怒したアヤカは銃を取り出し、相手を狙い撃とうとした時。
「アヤカッ!!撃つんじゃない・・・ここは一応街の中の判定だ。
こんなところでアイツらをキルでもしたらアヤカがペナルティを喰らうだろ。
それに俺なら平気だ。」
「くッ・・・・だったらどうしたらいいのよ!!!
ムクロが殴りつけられて暴行されるのを見てろって言うの!?
ムクロを見殺しにされるのを見るくらいならいっそこの手で・・・」
「―――――――2人とも目を閉じてッ!!」
どこからともなく声が聞こえたかと思えば・・・目の前が眩しく光り。
スタングレネードが辺りを包み、ムクロとアヤカは誰かに引っ張られてガンフィールドから移動しており。
アヤカも知らない場所にいた。
「んん?まだ目がチカチカするわね・・・
だけど助かったわ。
あなたは・・・・」
「私はアナタたちより下にいたメラトだよ、ヨロシクね。
で、あの状況から察すると・・・面倒なヤツらに狙われてたようだけど・・・」
「助けてくれてありがとな。
俺はムクロ、こっちの腕のいいガンナーはアヤカだ。
で、メラト・・・絡んで来たアイツらのことを知ってるのか??なんだか知っている風な口ぶりだが。」
ムクロは自分たちの自己紹介をすると、メラトにあのプレイヤー達の事について尋ねると。
メラトの話を聞くと元々所属していたギルドの一員で、暴力沙汰が頻発し始めたことをきっかけに抜け。
その中で暴れ方がひどかったのがあの連中だと語ってくれた。
「そうだったんだ・・・嫌な事を思い出させてごめん。」
「だが、あぁ言うマナーの悪い連中はどこにでもいるしどうしようもないのが多いからな。
今まで何住人とそう言うプレイヤー達を見て来たが、ここは運営に頼むしかない。」
そう言ってムクロは攻撃されダメージを受けた項目のスクリーンショットをすると。
その画像を添付したメールをキャレットに送ると。
すぐにキャレットからメールが返り、内容を読むとレンブがそちらに向かった事が書かれてあり。
それを知ったムクロたちは急いでガンフィールドに戻り状況の説明をしてレンブに仲裁をしてもらうだけ頼む予定であったのだが。
レンブの事で嫌な予感が走りムクロたちは急いで街の方に走り出した。
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