第338話 隠された裏フィールド

―――――――――――――――プライベートホーム


ホームに入るとソファーで寛ぐレイ達に挨拶をすると・・・レイは本をたたみ。

挨拶をしてからお茶を用意すると言って台所に消え、ムクロたちは武器のメンテナンスをするのいるソファーに座ると―――――


「ムクロ、そこにあるネジを取ってくれない??

ちょっと手が離せないのよね・・・・」

「このネジで合ってるか??

で、アヤカはこんなにバラしてメンテナンスするんだな・・・本当に銃が好きなんだな。」

「イヤイヤ!?コレは好きって言う生易しいもんじゃないよ!!!将来有望な軍人にでもなる勢いのバラし方だと思うよ!?」

「そうね、でも・・・この1つ1つ丁寧に扱う几帳面な所は嫌いじゃないわよ??

武器もこれだけ綺麗に扱ってもらえればうれしいと思うはずよ。

アヤカの武器のメンテナンスを見てたら私もやろうかしらね。」

「ぬへ??主殿ぉ??むにゃむにゃ・・・ふわぁぁん・・・主殿ォじゃぁ~~」

「あ、ユキシロズルイよ!!私もムクロの隣がいい・・・ん?

みんなは武器を出してどうしたの??クエストに行くの??それとも何か大きな戦い??

それだったら私もこの槍で!!!」

と、ファムは自慢の槍を取り出すと・・・エリはただのメンテナンスをしているだけと言うと。

ファムもすると言って部屋に戻り、補修キットを持ってきていた。


「毎日欠かさずメンテナンスはしているけど・・・もっと念入りにしてみようかな。

まずはヤスリ磨きからかな――――――」

「へぇ、天世界もこっちと同じようにメンテナンスするんだな。

よし・・・俺はメンテ完了。

人手がいるのなら呼んでくれ、手を貸すぜ。」

「お茶を淹れて戻って来てみればすごい事になっておりますね。

物音がしていたと思えばこう言う事ですか。」

「うむ、主に武器を使う主殿がアヤカのメンテナンスを見て続けて始めたのがきっかけなのじゃ。」

「別に私は自分がしたかったらしてるだけで皆にはしろとも言ってないから文句は受け付けないわよ。

それに、続けてメンテを始めたのはムクロよ??」

と、アヤカは自分は悪くないからとだけ言って黙々とメンテナンスを続け。

その間・・・ユキシロたちとメンテの終わった組みはお茶を飲みながらメンテをするクーリアたちを見ていると――――――


「ちょっとムクロ、スコープの調整をしたいから玄関前に立ってくれない??」

「――――――あぁ・・・こうか??」

ムクロが玄関の前に立つと、アヤカはズレを修正してからマガジンに何かを詰めてムクロに発砲し――――――――


「よし、私も完了っと・・・ムクロもそのインク落としてきて。」

「落としてきてじゃないと思うんだが・・・この距離で発砲されて驚いたことに対しての謝りはないのか。」

「それも含めてのそこに立ってって意味だったようね。

良かったじゃない?こんな経験は他じゃ敵にならないとできない事よ??」

「そだね~でも、敵の場合ガチの弾だけどね。

この杖も・・・こんなものかな??ワックスもかけたし。

グリップも巻き直した・・・・ん~カンペキ!!!

これだけ綺麗にしたんだし何かクエで試し撃ちがしたいなぁ~なんて?」

「お、アタイもそれを考えておったのじゃ!!!

ちょうどイベントが来ておってのぉ・・・フィールドの奥に隠されたボスモブを倒すイベントらしいのじゃが、どうじゃろう??」

ユキシロはそう言ってクエスト情報をテーブルに出すと・・・難易度は中級層レベルでユキシロとファムだけでもいけそうなクエストであり、理由を尋ねると。


「うむ・・・このクエストには裏ステージがあると言う噂があっての。

実は真の目的はこっちでの・・・クーリアはこのクエストの件について何か情報は持っておらぬのか??」

「ん~このクエストは最近出たばかりで嘘か真か断言するまでの情報が揃ってないからガセの可能性はあるけど。

それが本当だったらすごいじゃん?つまり・・・の運転も兼ねて行ってもいいよ!!」

「みんなって大きくまとめて言ったわね。

でも、私もこの銃をモブ相手に試運転がしたかったところだし付き合うわよ。

もちろんムクロも同伴でね。」

「え?俺も??まぁ・・・やることがないからいいけどさ。

他のヤツにも聞かずに決めて――――――」

「ムクロが行くのなら私も付いて行くに決まってるじゃない。」

「それでは私は皆様のお帰りを待つメイドとしてこの場に残りましょう。

このクエストを見る限りご主人様たちが後れを取るようにも思えませんし。」

レイの言葉を聞くと、ムクロたちはユキシロの言っていたクエストを受注し・・・移動するとそこは迷宮の森のようなフィールドであった。


「到着なのじゃ!!!で、ココカラハ奥に通じる道を進んで・・・ボスフロア前のフロアにある巨大な像の前で生肉とお酒を置くと扉が開くらしいのじゃ。」

「そう聞くと本当にガセのようにしか聞こえないのは私だけかしら??

どうしてそこで生肉とお酒が出てくるのかが良くわからないのだけれど。」

「俺も意味は分からないが・・・贄を捧げれば道が開かれる仕組みなのかもしれないな。

それにRPGっぽくていいんじゃないか??」

「RPGぽくも何も・・・グロリアって割とRPGだよね??

でもまぁ・・・その先に待っている何かが私たちを待っているに違いないのには変わりないよ!!

だから一刻も早くそこに行って謎をこの目で解き明かそうよ!!!」

「って・・・大騒ぎしてると普通はこうだよね!!!

みんな!!モブが話し声に気が付いてやってきたよ!!!戦闘態勢!!」

「さぁて・・・メンテした銃をたっぷりと味わいなさい!!!」

ファムがモブの行動を知らせると、アヤカは銃を構えて乱射すると。

モブ達はムクロたちに攻撃する前に消滅していた―――――――


「うへぇ・・・アヤカの銃って変形するようになったんだね・・・・」

「えぇ、ガヘリスと考えて基礎から作りながら改造してこの形態になったのよ。

それにしても調子いいわ!!!この銃は今までで一番しっくりくるし。

どんな弾でもブレずに撃てて的を射貫けるし・・・これだと問題なさそうね。」

「それじゃ、アヤカが敵を全部倒したことだし。

ユキシロの言う像の場所まで移動だな。」

「うむ!!どんどん前進なのじゃ!!!」

ユキシロは先頭を突っ走りつつ近寄るモブを粉砕し・・・ムクロたちは後を歩いて追いかける形で付いて行くと。


「ふへぇ・・・やっと到着したのじゃ。

ここが噂の像の間なのじゃ。」

「想像してたよりも大きな像があるわね。

今までこんな像のある場所は知らなかったわ・・・・ムクロは覚えてる??」

「いいや・・・俺もある程度のフィールドとかダンジョンには潜ったが。

こんな大きな像のあるフィールドは初めてだな。

それにしても大きい像だな・・・見た感じだと女神のようだが。」

「だね・・・女神エステリオン像・・・この前に生肉とお酒だっけ??

えっとその・・・誰か肉とお酒持ってる??」

クーリアはムクロたちに尋ねると、言い出した張本人であるユキシロがアイテムを持っていると言って像の前に並べ。

ムクロたちの元に下がると――――――――


「お、本当に動き出した・・・・つまりこれを見る限りまんざら嘘やガセではなさそうだが。

この唸り声・・・デカイモブの声だ。

きっと裏ボスがこの先にいるんだろうな―――――」

「うむ・・・なんだかおっかないのじゃが・・・主殿たちがいれば怖くないのじゃ!!」

「そうね、だけど・・・裏ボスのグループは基本的に変種タイプが多いの。

―――――――だから気を抜かない事ね。」

「どんな相手でもこの銃があれば平気よ。

ピンポイント射撃なら任せて!!」

「それじゃ・・・入るよ!!!」

女神像の足元に開けた裏フィールドへの入り口にムクロたちは足を踏み入れると。

全員が入ったことを感知したのか逃げられないようにするためなのか入り口が消え、前に進むことしかできなくなっていた――――――――――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る