第146話 ファイナルバトル③

―――――――――コロシアム:ファイナルバトル


互いの放った一撃で武器と武器が交差すると同時に砕け散り、その瞬間にコロシアム内のジャッジアナウンスが響き渡った。


――――――――互いに使用できる武器がアイテムストレージ内に残っていないため、この試合は引き分けとする。

―――――――――引き分けによる2人のリーグの振り分けは、互いに中級層からの開始とする・・・・それでは今後の流れはゾーンに委ねる・・・・


「え、あ・・・私ッ!?

システムさんよぉ私の仕事を微妙に取って後処理ってそりゃないぜェ・・・・

だが、これも仕事だ・・・仕方ないッ!!!

――――――――ジャッジシステムの判定は絶対だ!つまり・・・今回のファイナルバトルの優勝者はナシ!!

今回、勝者はいなかったがそれに見合う戦いを見せてくれた2人に盛大な拍手を送ってやってくれェェ!!!!

そして、本日の選抜戦はこれにて全試合終了だァァァ!!!

なお、消滅した武器の返却はできないからシクヨロ!!!」

「―――――――うぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!ムクロ、それにユリハ!!お前たちの戦いは今まで見たことないくらいにド派手で最高だったぞ!!!」

「今度はリーグ戦だけど、いい戦いを期待してるわよ!!!頑張って2人とも!!!」

「――――2人ともサイコーだったぜ!!!次回の戦いに期待してるぜ!!!」

「ぬへぁ~~まさか引き分けとはのぉ・・・まさか武器の耐久が無くなるほどにまで撃ち合うとは、主殿もユリハも天晴あっぱれなのじゃ!!!」

「私の予想ではユリハが主様に辱められて負けると想像してたのですが・・・武器の耐久までは計算外でした。

ですが、この戦いは勝者もいなければ敗者もいない・・・今後が楽しみです。」

「うん、そうだね。

この戦いは本当に激しくてグッと熱くなる戦いだった!!

―――――それに、ユリハもムクロも本当にキラキラ輝いて楽しんでたね。」

「そうね、それに私はムクロの使う新たなスキルも見れたことだし・・・参加して後悔はなかった、だけど・・・やっぱり戦いで負けるのは悔しい、だから私はまた機会が来るまでレベル上げしないと。」

コロシアム内が俺たちの引き分けに歓喜し、盛大な拍手が響く中・・・俺はユリハと会場に手を振るとフィールドから退場した。


「いい戦いだったな、ユリハ―――――――」

「うん、でも・・・本当ならムクロ君が影と入れ替わっていた時点で私は負けていたから・・・まだまだ鍛錬しないとだね、でも――――この戦いは本当に楽しかったよ。」

「2人ともお疲れ様です。

武器が消滅する程の戦いに私もハラハラドキドキでした、ユキシロは激しい攻防の度に騒がしかったですが。」

「うぅ・・・そりゃ、アレだけ激しい戦いだったのじゃ・・・驚きもするのじゃ!

じゃが、主殿もユリハもやっぱりすごいのじゃ!

あの技と技のぶつかり合いは滾ったのじゃ!!」

「うんうん、こうやって2人の戦いを見てたらお腹が空いちゃった・・・・」

「え、ファムは私が酔っている間に沢山食べたとか聞いてたけど・・・まだ食べる気なの?

―――――ファム・・・あなたの体は一体どういう作りしてんのよ・・・・」

俺たちは賑やかにワイワイとしていると、時間が時間ということに気付き・・・・ホームに戻ることにしたのだが、俺は後から戻ると言いユリハ達を先にホームへと帰すと・・・俺はコロシアム裏の人目のつかない場所に移動すると――――


「おい、そこにいるのは分かってる・・・プレイヤー達だろ?

出て来いよ、それともこっちから行こうか?」

「――――なッ!?・・・コイツ・・・いつから俺たちのことに気付いて・・・」

「―――――バカ、反応するな・・・って、もぅおせぇか・・・初心者でも感がいい奴にはバレるスキルだ――――それに、声で位置もバレてるだろう・・・

「チッ・・・いやぁ~さっきの戦いは大したもんだったぜェ~~~

まさか、あそこまで戦えるとはなぁ~~~でさぁ~俺達カネに困ってるんだけどよぉ・・・ちょっくらぁ分けてくんねぇかな??」

「まぁ、お前に拒否権はないんだけどな。

言う必要はないと思うが、お前はまだまだ初心者で酒場でも俺たちにボコボコにされたんだ、力量も人数差もあるんだよ~く考えろよ?

それに、あのコロシアムでの戦いもよぉ・・・ユリハってヤツやお前のツレ全員に協力してもらって演技してたんだろ?なぁ?そうなんだろ?」

酒場で俺を殴って消えてった男達は俺から金を奪えそうと思ったのかコソコソと俺の後を付け回し、こちらが誘導したとも知らずに人目につかないコロシアム裏であると確認すると男達は堂々と姿を現して俺をとり囲んでいた。


「お前たち、酒場では穏便に済ませようとしたが・・・グロリアココにもマナーって言うものがある、これ以上プレイマナーを守らず自分勝手な行動をするなら―――――」

「するなら何だよ?カッコ付けんじゃねぇよ、ザ・・・・」

「――――――んなッ!?」

「――――こりゃなんなんだ・・・」

「殴る瞬間、コイツに殴り返されたと思ったら・・・壁まで殴り飛ばしたのか?

――――――バフもかけてない腕だけでかッ!?」

男の1人が俺の注意を聞かずに殴りかかろうとした瞬間、俺はカウンターをお見舞いすると・・・まるで俺が一方的に殴り飛ばしたかのように壁まで殴り飛ばしていた。


「アイツみたいに痛い目を見ることになるが・・・・

―――――はぁ、言うだけ無駄だか・・・それなら、まとめてかかってこい!!」

「言われなくても行ってやらぁ!!!!」

「―――――バカッ!!無闇に仕掛けるな!!!」

「クソッ・・・俺たちも行くぞ!!!

―――――連携攻撃で仕留めるぞ!!!」

俺は壁にメリ込んだプレイヤーの1人を指さし、忠告したのだが・・・聞くそぶりを見せず、3人が左右と真上からの同時攻撃を仕掛けてきた。


「この俺たちの連携攻撃を見切れるか??

――――――でいやッ!!!」

「――――仲間のカタキじゃぁぁぁ!!!!」

「お前の有り金全部でも足りねぇ・・・

―――――お前をズタズタにしねぇと気が済まねぇぜぇ!!!」

「はぁ・・・連携攻撃って言ったか?

――――――攻撃の軌道がバレバレなんだがな???」

俺は左右から仕掛けてきた剣を潜り抜けながら2人にキツイ一撃を加え、最後に真上からジャンプ切りを仕掛けてきたプレイヤーの顔面に強烈なパンチを捻じ込むと・・・4名は身動きも取れずに悶えていた。


「ぐ・・・イテテ・・・こんなのウソだろ・・・

―――――4人がかりで・・・勝てねぇなんてヨォ・・・」

「・・・・・・・ぐ・・・・」

「コイツ、初心者じゃなかったのかよ!?

―――――話が全然違うじゃねぇか!!!」

「――――ぐぐ・・・お前、あの時どうして酒場であんな真似を・・・・」

「あぁ・・・あの時、あの場所にいた他のプレイヤーの迷惑になるだろ?・・・それにこの世界で笑えない出来事イベントは少なくていい。

――――――ただ、それだけだ。

だからお前たち、キルはしないでおいてやるからさっさと帰れよ。」

俺は伸びて動けないプレイヤー達に回復ポーションを転がし、誰にも見られないようにホームへと帰っていった―――――――


「遅くなって悪いな・・・・・」

「ムクロ君遅いじゃない!!!

先に帰って待っててくれって言うから帰って待ってたけど・・・何かあったの?」

「主殿ォお帰りなのじゃ~~それにしてもちと・・・遅かったの~夜遊びでもしたのかのぉ?」

「コホン、ご主人様お帰りなさいませ・・・ユキシロ、それは殿方に尋ねてはいけないピュアな部分ですよ・・・それはプライベートであり、ご主人様が私たちに飽きられたのであればそういった夜店へと参られるのでしょう・・・シクシク―――――」

「えっと・・・夜遊びって、一体何をするの?

美味しいものを食べるの?それとも・・・んん~何をするの?ねぇねぇ?」

「夜遊びって言うのはね・・・女の人とお酒を飲んだり、あんなことやこんなことを・・・ボソボソ―――――することなの。」

アヤカのボソボソ部分を耳元でファムが聞くと・・・顔を真っ赤にさせてソファーにもたれ込み、この流れはユリハが黙っていないだろうと確認してみると・・・案の定ユリハの顔は笑ってはおらず、俺に今までどこで何をどうしていたのか説明を求めてきた――――――――――


―――――――――――プライベートホーム

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