心に降る雨、そこに差す傘

桜雪

第1話 老害

借金を重ねる両親を怒鳴る。

そんな日が来ることを考えてもいなかった。


現実から目を背け続ける両親が憎悪の対象でしかなくなる…そんな日が続いている。


死を選ぶわけでもなく…ただ昨日と同じように今日を生きていたいだけ…。

その生活には無理があることに気づきながらも目を背ける。


起きているのがツライのだろう…やたらと早く眠る。

そして…いつまでも寝ている…。


現実から逃げ続ける術が眠る以外にない。

だけど…死ぬことすらしない。

無責任に生きているだけ…。


買ってもいない宝くじが当たれば…そんなことを口走られると、殺したい気持ちになる。

実際、殺人が罪でなければ…とっくに…。


老いるということは…それだけで罪なのかもしれない。


年老いた両親を怒鳴る…この現実は…なんの罪なのだろうか…。

両親の罪?あるいは…僕への罰かもしれない。

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