機体設定3

・機体名:ガル・フューザリオン

・分類 :古式

・概略

 ガル・エレヴィオンの兄弟機。基本構造はほぼ同一。コアユニットの性質の違いから冷気を操る機体。

 人龍大戦時代、対空の要として運用されたガル・エレヴィオンに対してこちらは対潜の要として運用された。当時の海を支配していた海龍をラーマリオンと共に討ち、制海権を取り戻した。人龍大戦における人類側の勝利のきっかけを作り出した機体。

 人龍大戦以降は幾つかの国を巡り、大陸歴510年代にはログニスにてアレックス・ブランの元で王都の守護を担っていた。ログニス崩壊後は王党派の旗頭となったラズル・ノーランドを守護し、ログニス復興の旗機として活動していく事になる。

 

 ガルと付いている機体は全て同一人物が設計した機体。古式の中でも後発の機体であり、新式の機体構造にも参考にされた事で最も世界で普及したフレームとなった。

 

 主武装は大斧。サブウェポンとして長剣を持つ。対魔獣戦では傷口を凍り付かせることで再生を阻害する。また機法による氷の矢を飛ばす事で遠距離にも対応している機法を中心にした万能機体。

 

 兄弟機と同じく、対龍魔法(ドラグニティ)は二種類存在する。その内の一つは『|封龍の永久凍土(コキュートス)』と名付けられた温暖な海さえも極寒の氷海へと変貌させる広範囲に影響を与える物。地上で放てば射線上の物体を瞬時に凍り付かせる。海上では先に説明した通り、海その物を凍り付かせる。その性質から海龍と戦う際には海上に足場を作り出し他の機体の援護を行う事も可能だった。また海中へと攻撃を届かせることの出来る数少ない機体。

 もう一つの対龍魔法(ドラグニティ)は『■■■■』。対個の機法で、射程は非常に短い。また自分自身もダメージを追う危険な物。最悪機能停止さえもあり得るがその分威力は絶大。人龍大戦時代にはその欠点も無視されて運用されていたと思われる。

 

 大陸歴522年ではログニス所属の数少ない機体の一つである。

 

・機体名:ラーマリオン

・分類 :古式

・概略

 海上戦では無敵の古式魔導機士。チリーニ侯爵の裏切りによってログニスからアルバトロスへ。その後の敗退によって再度ログニスと所有権が変わった激動の時代を象徴する様な機体。

 

 古式魔導機士で唯一単独での海上戦が可能な機体であり、ガル・フューザリオンと連携して当時の海を支配していた海龍を討伐した。その後も飛び抜けた海上戦能力によって海を制し続けた。

 

 巨大な盾の上に乗り、海を駆け抜ける。盾自体が海水を吸い込んで吐き出す事で推力とする魔法道具となっており、後にその構造はログニスによって船へと流用された。その機能によって大陸歴521年当時のどんな船よりも早く動き、僅かに盾を傾ける事で旋回可能なラーマリオンの運動性に追いつける船は存在していなかった。

 当時の海戦と言えば基本的に船同士をぶつけ合って最終的には乗組員が敵船に乗り込んで船を奪うという物だったため、そこに魔導機士をぶち込めばどれだけ有利であったかは言うまでもない。

 

 機法は流体操作。海上で戦っていた関係上、殆どの場合海水を操作していた。対龍魔法(ドラグニティ)クラスの機法ともなると大津波、大渦を巻き起こす事になる。

 

 大陸歴521年に人龍大戦自体の相棒であったガル・フューザリオンと交戦。凍り付いた海上で戦う事となり、不利な状況を引っ繰り返す事が出来なかった――のだが、実の所ラーマリオン単独であったのならば手の打ちようはあった。流体操作で凍り付いた海の下から海水を引っ張り上げてくれば少なくとも仕切り直しは出来たのである。それをしなかったのは歩兵が氷上を通って白兵戦を仕掛け、僚機であったエルヴァリオンも氷上での戦闘に移行したからである。仲間を見捨てる事が出来ず、実力を発揮できない環境で戦う事になったのが敗因だった。

 

 大陸歴522年では修復され、ログニス所属の機体となった。

 

・機体名:エルヴァリオン

・分類 :新式

・概略

 アルバトロス帝国製エルヴァートの改造機。元々高くまとまっていたエルヴァートの性能をさらに引き上げた機体。一式と分類分けされる新式魔導機士の中では文句なしに最強の機体。

 

 高性能な量産機であったエルヴァートの構成部品の中から更に品質の高い物を選び抜き、駆動系出力の向上を行った機体。操縦系はエルヴァートから変更されていないためバランスの悪い機体となっているが、エルヴァリオンを与えられる操縦者の大半は融法による侵食制御を行っていた為然程の影響はない。

 

 武装もエルヴァートから変わらずクロスボウを主軸としている。扱うボルトに、エーテライトを仕込んだ魔法道具と化した物がある。操縦者の融法による補助が必要ではあるが、捕捉した機体の操縦系魔法道具内の機体制御信号を読み取り、相手の動く方向にボルトが追尾するという必中の魔弾。

 カルロス・アルニカの作り出した操縦系魔法道具を使っている限りは決して逃れられない凶悪な武装である。しかしながらカルロス・アルニカとの交戦時には無力化されていた様で、そのアドバンテージは生かしきれなかった。

 

 書類上は存在していなかったアルバトロス第三親衛隊の隊長機として配備されており、その時の操縦者はアリッサ・カルマ。歴史に名前は残っていないが、当時の魔導機士操縦者の中では最強の一角に数えられる人物である。521年にカルロス・アルニカによって鹵獲され、以降は彼の手の元で運用されていく事になる。

 

・機体名:ウルバール

・分類 :新式

・概略

 カルロスがハルス連合王国に流出させた試作機の情報を元に作り出したハルス製の機体。

 概ねアイゼントルーパーと同型の機体となっているが細かな違いとしては対人戦闘に偏らせた訳では無いため装甲が厚い。そしてハルスの地形的に砂漠地帯が多いため関節部などを布で覆うなどの工夫がされている点である。カモフラージュ用に地形に合わせた布を機体に巻きつける事もある。

 

 武装に関してハルス独自の技術である銃を装備している。元々初期型の新式では細かな動きが出来ないため銃自体の照準の甘さもあって命中率は高くは無い。その問題の解決は後継機の登場まで待つことになる。

 開発時点で既にアルバトロス側からすると旧世代の機体だったが、ハルスの防衛力の一翼を担う機体である。

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