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『望月さんから電話があったの。赤ちゃん産んで欲しいって……。結婚して欲しいって……』
「留空……本当に?良かったね……。本当に良かったね……」
『柚葉が電話してくれなかったら、私……間違いを犯すところだった』
「私じゃないよ。ごめん、陽乃に気付かれて……。陽乃が望月さんの連絡先を教えてくれたの」
『陽乃が……私のために?』
「うん、ああ見えて陽乃は優しいとこあるから」
『陽乃が優しいことは知ってる……。挙式の日取りが決まったらまた知らせるね。柚葉、本当にありがとう』
「留空、幸せになってね。おやすみなさい」
『おやすみなさい』
留空との電話を切り、私まで幸せな気持ちになった。
婚活パーティーで出逢った二人が、恋に堕ち結婚する。こんな出逢いもあるんだね。
――翌日から、留空は連続休暇を取った。
望月は留空の両親に逢い、正式に結婚の申し込みをし、妊娠を告げた。
留空はおとなしい性格ゆえ、両親は交際している人がいたことも全く知らされず、妊娠という事実に愕然としたらしいが、望月の人柄を認め、結婚を快諾したらしい。
望月のご両親も留空の妊娠を喜んでくれたらしく、話はトントン拍子で進み、留空の連続休暇中に急ぎ結納を済ませた。
留空からは『連続休暇明けに辞表を提出し、退職することに決めた』と連絡があった。
四人の中で一番奥手だと思っていた留空が、四人の中で一番先に結婚するとは思わなかった。
運命の出逢い。
いつ、どこで、人は恋に堕ちるかわからない。
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