詩集<いのちの音>

積田 夕

遠い約束

さよならは別れの言葉じゃなくて

再び逢うまでの遠い約束


かの有名な、「セーラー服と機関銃」の冒頭歌詞です。


でも、自分はさよならは嫌いです。

この言葉を口にすると、もう会えなくなるような気持ちになります。


だから、もう会えなくなると分かっている人にさえ、

自分は「またね」と声をかけます。


それが自分の「再び逢うまでの遠い約束」です。


大切な人を喪うたびに、「またね」と言って別れました。

在りし日の声が、「またね」と返してくれるような、そんな気がします。


先にその場所に行った人たちは、

その場所でずっと自分を待っていてくれていると思います。

再び、逢えるその日まで。


「またね」


空高い青空は、その場所に続いていることでしょう。

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