シコふんじゃった。今までの全考察まとめ


『対立構造について』

 主人公・山本秋平と最も大きな対立構造をなしているのは相撲の試合の審判であると思う。審判は相撲という文化の体現者で、相撲という法の番人である。

 最初、秋平は審判にけんか腰で、審判の心証もよくなかったが、相撲のルールを学び、稽古をして生まれ変わった姿をみて審判は秋平を認める。

 これは、秋平が相撲という1つの価値観(社会・コミュニティ)に受け入れられ、認められたことを意味しているように思う。

(※それが『留年する』という発言につながるというところまで記述すると判りやすい)


『ファーストシーンとラストシーンの変化について』

『シコふんじゃった。』のファーストシーンは穴山教授が大学の講義室で、外国人から見た相撲を語っている。このシーンと対になる2部リーグ昇格戦の大将戦の最中にも同じセリフのナレーションが入っている。

 このシチュエーションの変化は、ファーストシーンでは『大学の講義室』という小奇麗な場所で"相撲とはどういうものなのか?"と空想レベルだったものが、実際に泥にまみれて自分たちでやってみることで、相撲を真に理解するという変化をしていると思う。


『公開日、監督について』

 周防正行監督作品『シコふんじゃった。』は、本木雅弘主演の1992年に公開された日本映画です。

 舞台はバブル崩壊後の日本で、就職難だった時代であり、社会にする浸透する価値観は『大学をでて一流企業に就職すること』が最上だった。

 そんな社会情勢の中、"イケてる"オシャレな大学生・山本秋平が、留年回避のため"ダサい"相撲部にするという話です。

"ダサい"と思っていた相撲に山本が本気で取り組むようになる姿は心が打たれます。助演の竹中直人のコミカル演技も必見です。

(参考台詞:大体ねうちの学生に相撲をやらせようってのが無理なのよ。とにかく今の男の子はどうしたら女の子にモテるかってことしか考えてないの。それがすべてなの。そんな子たちが相撲やると思う?)


『(裏の主人公)川村なつこについて』

 川村なつこは『シコふんじゃった。』の裏の主人公である。表の主人公・山本秋平はいやいや始めてた相撲に魅力を発見する。それに対してなつこは"他人が真剣に相撲を取っているところを見たい"という他人任せの、人にやらせようという理念のもとに行動していた。

(参考セリフ:あたしホントの相撲がみたい。みんなに真剣に相撲をとってもらいたいの)

 しかし、部員たちが真剣に取り組む様子を見て(段階1)、さらには女子マネージャーが相撲に挑戦するのを見て、自分もやってみたい! 自分もシコふんでみたいと思うようになり、それがラストシーンにつながり、最後のセリフが『わたしもついにシコふんじゃった。(※曖昧)』で終わる。


『山本秋平の性格』

明るく、社交的

オシャレに気を使っている

ラクして生きる

ダサいことはしない、軽薄

なんでもそつなくこなす




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