11/16課題『木戸芽衣は静かに読書したい』(課題:雨)2017/11/16

人物

木戸芽衣(16)女子高生

白羽透(16)同


店員


〇喫茶店・内

 入口の傘立てに濡れた傘が大量に刺さっている。店内は混雑。

テーブル席で木戸芽衣(16)が文庫本を読んでいる。

ちらと店の外に目をやるとどしゃぶり。

 下卑た笑い声が聞こえてきて、まゆをひそめる。ため息。メガネの位置を直して読書を再開する。

 店の入り口で白羽透(16)と店員が話している。

店員「ただいま、満席でして。ご相席でもよろしいでしょうか?」

透「おっけ~。問題ないっす!」

 店員と透が芽衣のもとにやってくる。

店員「お客様、店内混雑してまいりましたのでご相席よろしいでしょうか?」

芽衣「はぁ……」

透「あっれぇー。木戸さんじゃん?」

 芽衣、無視して文庫本に集中。

透「同じクラスの白羽だよ。覚えてない?」

 本を閉じて、芽衣わざとらしくため息。

芽衣「白羽さん、本読みたいから静かにしててくれない?」

透「えーっ相手してよ。雨やむまで暇でしょ?」

芽衣「私は雨宿りじゃなくて、最初から本を読むつもりで来たの。だからおしゃべり なんてする気ない」

透「じゃあよく来るの? なにオススメ?」

芽衣「だからー……。ブレンドでも飲めば?」

透「それ、なに飲んでるの?」

芽衣「……。ミルクコーヒー。わるい? コーヒーは苦いじゃない」

透「へぇ、意外! そういうの飲むんだね。あたしもそれ頼んでみようかな」

芽衣「……好きにしたら?」

 本を読み始める芽衣。

透「それ、なんの本読んでるの?」

芽衣「べつになんでもいいでしょ?」

透「いいじゃん。見せてよ」

透「(芽衣から本を奪いとり)あ、館シリーズ。あたしも好きだよ。全部よんでる」

芽衣「え、あなた本とか読むの!?」

透「失礼な」

芽衣「ねぇ、シリーズでどの作品が好き? 私はやっぱり1作目の叙述トリック が……」

 鼻息荒く、まくしたてる芽衣。

透「(笑い)お喋りしないんじゃなかったの?」

 顔を見合わせて笑う2人。窓の外の雨がやんで日差しが差し込んでくる。


/了


実は『雨』というシナリオ課題は2回目なんですね。

雨はキャラクターの心情を比ゆ的に表現する手段として使えますね。


2017/11/16引導





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