課題『リライト』生意気天才少女(10枚)

※生意気天才少女との出会いのリライトです。

 枚数も5枚→10枚に


人 物

御堂慎司(16)高校生

石動ノア(14)中学生

保険医

女子生徒


〇私立陵鳳高等学校・2年B組教室内(夕)

 誰もいない教室。

 いちばん後ろの席で、英語・物理・古文・世界史などのテストの答案を両手で広げて真剣な表情で見ている御堂慎司(16)。

 テストはすべて一〇〇点。

女子生徒の声「学年トップ様は満点の答案を見て、ご満悦ですかな?」

 御堂がビクッとして振り向くと、女子生徒が立っている。

御堂「他人のテストの点を勝手にのぞくなんて失礼なヤツだな」

女子生徒「ごめんごめん。でもぜんぶ満点じゃん」

御堂「……まあな」

女子生徒「10点でいいから私にも分けて欲しいよ。あ、私部活だから行くね」

 女子生徒が立ち去る。

 御堂がテストの答案の束をズラす。

 100点の答案の後ろに重ねられていた98点の数学の答案がでてくる。

 苦々しい表情。

 握っている数学の答案にしわが寄る。

 女子生徒が足早に教室に戻ってくる。

 とっさに98点のテストを隠す御堂。

女子生徒「御堂くん、御堂くん! これ見て!」

 女子生徒がテストを見せてくる。

 100点の数学の答案。

女子生徒「これ、今回の数学のテストだよね? 御堂くん以外にも100点とるような子いたんだ」

御堂「ちょっと見せてみろ!」

 テストを食い入るように見つめる御堂。

御堂「……石動ノア? この名前、成績優秀 者のリストに載ってなかった。こんなヤツ2年にいたか?」

女子生徒「聞いたことないなあ。転校生かな?」

御堂「転校生……?」

女子生徒「御堂くん成績ぶっちぎりだもんねー。とうとう強力なライバル出現かな?」

御堂「ハン。おれの敵じゃないね」

女子生徒「これ廊下で拾ったんだ。私部活あるから代わりに先生に届けといて」

御堂「お、おい……!」

女子生徒「よろしくー」

 立ち去る女子生徒。

 自分の答案と満点の答案を見比べる御堂。机を拳で叩く。

御堂「……クソッ! 石動ノア、誰なんだこいつは……!」


〇同・保健室前・廊下(夕)

 掲示板に成績優秀者が貼り出されている。

 1番のところには御堂の名前。

 石動ノアの名前はない。

 御堂が掲示板を通り過ぎて、廊下を歩いている。

保険医の声「コラッ! ノアちゃん! また保健室にこんなにお菓子持ち込んで」

 御堂の足が止まる。

御堂「ノア……? まさか……」

 保健室の扉に手をかける御堂。


◯同・保健室・内(夕)

 保健医と石動ノア(14)が向かい合って丸椅子に座っている。

保険医「ノアちゃん、体温測ってね」

ノア「はぁーい」

 保健室の引き戸をあけて御堂が入ってくる。

保健医「あら、御堂くん。今日もまた頭痛?」

 御堂、一直線にノアに向かって歩いていく。

御堂「おまえが石動ノアか?」

ノア「……だれ?」

御堂「このテストに見覚えはあるか?」

ノア「(まゆをひそめ)九十八点?」

御堂「こ、これはオレのだ。こっちだ!」

 ノアの百点のテストの答案を見せる。

ノア「ああ、これ、簡単だったよね」

御堂「なんで成績優秀者に載ってない!?」

ノア「なんの話?」

保健医「ノアちゃんは中等部の二年生よ」

御堂「中二!? そうか、だから……。なんで高二のテストを受けてるんだ!?」

保健医「中学のテストは簡単すぎるって言うから、私が職員室から余ってたテストを持ってきてあげてたのよ」

ノア「……ミカちゃん先生、この人だれ?」

保健医「高校二年生の御堂くん。高二の成績 最優秀者よ」

ノア「(鼻で笑い)高二? 高校生のくせに 大したことないんだね」

御堂「なにぃ~!? 生意気なチビめ……!」

 ムッとするノア。

 保健医が二人のあいだに入って、

保健医「まあまあまあ。2人とも!」

 保健医を挟んで一触即発ににらみ合う御堂とノア。


/了


2017/6/22_indo

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6/22

けっこうザックリ書き直しました。



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