課題『出会い』生意気天才少女との出会い(ペラ5枚)

人 物

御堂慎司(16)高校生

石動ノア(14)中学生

保険医

女子生徒


◯私立・陵鳳高等学校・廊下

 掲示板に成績優秀者のリストが貼りだされている。

 その前に立つ御堂慎司(16)と女子生徒。

 一位『御堂慎司』の文字。

女子生徒「ミド君すごーい! 満点ばっか!」

御堂「数学は98点だったけどね」

女子生徒「でも他は全部百点でしょ? すご」

 得意げに微笑み、立ち去る御堂。

 廊下にテストの答案が落ちている。

御堂「誰だ? 恥ずかしい点数を見てやろう」

 拾い上げると、一〇〇点の数学の答案。

御堂「えっ!?」

 三折りの答案を取りだし、見比べる。

 完全に同じ内容のテスト。

 御堂は九十八点、落とし物は百点。

 答案の氏名には石動ノアとある。

御堂「成績優秀者に名前が載ってなかった……。石動ノア! 何者なんだ、こいつは!」


◯同・保健室

 ベッドに寝転ぶ御堂、天井を見ている。

 保険医がデスクで書類を書いている。

保険医「ノアちゃん、体温測ってね」

ノアの声「はぁーい」

 驚いた顔で起き上がる御堂。

 カーテンで仕切られた隣のベッドへ行き、勢いよくカーテンを引き開ける。

 カーテンの向こうの石動ノア(14)が目を見開いて御堂を見る。

御堂「おまえが石動ノアか?」

ノア「……だれ?」

御堂「このテストに見覚えはあるか?」

ノア「(まゆをひそめ)九十八点?」

御堂「こ、これはオレのだ。こっちだ!」

 ノアの百点のテストの答案を見せる。

ノア「ああ……」

御堂「なんで成績優秀者に載ってない!?」

ノア「なんの話?」

保険医「ノアちゃんは中等部の二年生よ」

御堂「中二!? そうか、だから……。なんで高二のテストを受けてるんだ!?」

保険医「中学のテストは簡単すぎるって言うから、私が職員室から余ってたテストを持ってきてあげてたのよ」

ノア「……ミカちゃん先生、この人だれ?」

保険医「高校二年生の御堂くん。高二の成績最優秀者よ」

ノア「(鼻で笑い)高二? 高校生のくせに大したことないんだね」

御堂「ああン!? なんだとぉ!」


/了


2017/5/25 引導


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△シーンの初めに人物の出入りがない部分がある

保健室のシーンとか


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〇大変よくできています

〇プライドの高い御堂が唯一負けた相手、しかも中等部の女子生徒なら…

傷つくでしょうね。導入部としては良く出来ています。


〇強いて言えば、冒頭女子生徒たちと話しているのなら、

100点の答案を見つけた時点で『誰、ノアって?』『知らない。転校生じゃない?』『転校生?』と一度ミスリードさせたほうが保健室でのショックは大きくなるのでは

〇ラストの1行

年下のしかも女の子に掴みかかるのは…女性客には受け入れにくい展開かもしれません






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