部活をやろう!
そして月曜日になった。通常授業が始まり、部活動設立の申請も今日からだという。
1限目は本来平野先生による現国の授業だが、今日はホームルームだった。平野先生曰く、委員長や各委員は今日しか決める時間がないらしい。結局委員長は杉浦さんが立候補し他に立候補者がいなかったため即決まり。各委員も全員立候補者がいたので無事決まった。俺はどうなったかって?どの委員も立候補してないけど何か?
そして2限目からは通常の授業が始まった。授業初日は最初ということもあってか、どの授業も先生の自己紹介と授業についての説明、各生徒の自己紹介という感じで終わった。
そして授業が終わり芸能活動をしている生徒以外、おそらく授業後の特別レッスンを受けている中、俺は1人教室で暇を弄んでいた。そして、夕暮れの教室に体操服姿の3人の女子が現れた。
「あ、やっぱり渡辺くんいた~」
1人の女子生徒が俺に話しかける。声の主は明石さんだった。それに川端さんと日高さんもいる。ここで3人の紹介をしておくが、明石さんは女優志望で黒髪のロングヘアーが特徴的、川端さんは声優志望で少し茶髪かがったポニーテールが特徴的、日高さんは歌手志望で少し低めの身長と茶髪のセミロングが特徴的。身長は高い順に、明石さん・川端さん・日高さんになる。
「お前らレッスンは終わったのか?にしては早いな」
と俺は3人につぶやく。時刻は夕方の4時半。レッスンが始まってから30分しか経ってない。授業後のレッスンは最低でも1時間、長い時は3時間以上続くらしい。30分で終わるレッスンはないはずだが。
「実は私たち、今日はレッスンに行ってなかったの」
と川端さんが喋る。そして、
「実は私たち渡辺くんに頼みごとがあって・・・」
と日高さんが喋る。
「渡辺くん、部活に入ってくれない!」
3人がほぼ同時に喋り、俺に頼みこんだ。
明石さんは演劇部、川端さんは合唱部、日高さんは軽音楽部の勧誘だった。3人とも部長に就く予定だとのこと。そして、どの部活も現時点で4人しか入部予定者がいなくてあと1人足りないらしい。
「お前らあと1人足りないからって、その1人何とからんのか?」
俺は3人にこう問いかける。
「何とかならんから渡辺くんに頼み込んだの!どうせ授業後、私たちのレッスン中ずっと暇でしょ?」
3人が揃ってこう言ってきた。どうやら4人揃ったまではよかったものの、後の1人が揃わずみんな断られたらしい。条件さえ揃えば掛け持ちが可能らしいので、授業後の個人レッスンがない俺に入部話を吹っ掛けたというのだ。
「・・・そうか、なら仕方ないな。俺その部活入るわ。どうせ1日中暇だし掛け持ちもできるだろ」
こうして俺は演劇部・合唱部・軽音楽部。3つの部活を掛け持ちすることになった。
明石さん、川端さん、日高さんに呼ばれた俺は4人で音楽室に向かった。音楽室には平野先生と山口先生、そして部長の3人を除く演劇部員・合唱部員・軽音楽部員がいた。演劇部員は部長の明石さんの他に、声優志望の増田さんと宮崎さん、矢野さんがいた。合唱部員は部長の川端さんの他に、声優志望の松井さんと村上さん、アイドル志望の小野寺さんがいた。軽音楽部員は部長の日高さんの他に、アイドル志望の大沼さんと内藤さん、歌手志望の山下さんがいた。
まずは顧問について。この学校には現在、正規の教員が平野先生と山口先生しかいない。2人の先生で3つの部活動をどう担当するか。結局演劇部の顧問は平野先生が、合唱部の顧問は山口先生が単独で担当し、軽音楽部は平野先生が名目上顧問を担当するが、部長の日高さんに顧問役を任せることにした。
そして曜日と教室について、使う教室はすべて音楽室。月曜は来週以降ほぼ毎週レッスンが入るため行わない。火曜と金曜は軽音楽部が、水曜と土曜の午前は演劇部が、そして木曜と土曜の午後は合唱部が使うことになった。
まぁそれから一週間も経たないうちに、演劇部に女優志望の栗山さんが、合唱部に歌手志望の岸田さんが、軽音楽部に歌手志望の福原さんがやっぱ入部したいと言ってきたため、3つの部活すべて俺がいなくても5人揃ったが。
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