「…お前、何ブツブツ言いながらやってんだ?」

 少し呆れながら後ろから声をかけた。


 俺の声に反応し振り返るが、口を半開きにしながらぼーっとしている。


「おい、聞いてんのか?」

「あ、すみません。全然聞いてませんでした(≧∀≦)」

「お前良い度胸だなぁ」

「すみませーん」


 てへっと舌を少し出しながら、ヘラヘラ笑う。やっぱり変な奴だ。


 だが、俺はこの男を気に入っていた。悪い奴ではない。かなり、いや、とてつもなく変な奴だが無害だというのが分かる。それが皆にも分かるのか、リョウはすぐに仲間と打ち解けた。

 あまり他人に心を開けないシーダさえも、こいつになんやかんやと世話をする。


「…お前、色々変なやつだな。素性も分からんし。まあ、悪い奴ではない事は分かるがな」

 ふっ、と鼻で笑うとリョウの顔が段々と赤くなる。


 そして、何故か邪魔と言わんばかりにその場を追い出された。

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