14.受景器

しずかに明滅している


清冽な風を受けてなお

立っていられる骨が筋肉で

接合されて温められているうちに

夢をいくつも見ていた


風景の中で

“私は異物”だ

と感知していた

屈折した光波だね

それは涙腺で液化する

しずかに明滅しているその

明から滅へ また滅から明への

わずかの移行期に地殻が震えて

液を地表におし上げている


まちがいを犯しながら歩いていくから

私は世界と分かり合えないで

生きていられる

だからほら

そこに住む者だけが歩く

路地に並べられた鉢植えの

草花をこんなにもまた愛してしまうだろう

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