　次の日も、七海は昼休みに図書室へ行ってみた。あの司書の先生はいなくて、別の先生がいた。その先生はパソコンとにらめっこをしていて、来た生徒に気を配ってはいなかった。

……そっか、木曜日か……

　七海は、以前本棚を見ていて少し気になった、算数の本のコーナーへ行って、一冊手に取ってみた。その本は、『思考力が伸びる「算数の良問」ベスト72題』という本だった。とりあえず問題１を見てみた。

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【10進数のしくみ】

問題１　　一番近い数

０，１，３，９の４つの数字と小数点を使ってできる数で、１に一番近い数字はいくつですか。

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……なんだ、かんたんじゃん。１に一番近いのだから、０．９３１！

　次のページを開け、答えを見てみた。

答え　　１．０３９

「え～っ！」

　七海はつい声を出してしまった。これはちゃんと読まなければと思い、空いているテーブルの椅子にこしかけた。

※出典引用　『思考力が伸びる「算数の良問」ベスト72題』　向山洋一編，村田斎著

ＰＨＰ研究所　1998　Ｐ15～16

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