第二章 第六話 恋するアイドル part6
午前十時二十五分。二人の探偵はテレビ局内部に潜入していた。情報によると、アイドルが恋をした男は{溝口光 みぞぐちひかる}
身長は一六五センチ程度と決して高くはないが、ある程度の体つきであり、身なりも整っている。チャラついた感じはなくとも、男らしい印象だというそうだ。今から佐久良と会議を行うため、その近く、会議室の近くの曲がり角で身を潜め、探偵たちは待機をしていた。
「発見しました」
長谷川が口を開く。目線の先には身長が一六五センチ程度、スーツではないがきちんとした身なり。しかし...
「誰か隣にいますね」
溝口の隣には見た目一六〇センチ前半、容姿が整った女性がいた。
「あの人は誰でしょうか?」
「あれは同じくディレクターの三輪さんだ。涙姫の出演していたドラマ{キラキラスマイル}略して{キラスマ}を担当していたこともある人だ」
今回においては仲上の方が情報をある。この状況に仲上は心の中で笑みをこぼした。
「つまりは今回あの二人と佐久良さんは会議を行うということですね」
十時三十五分。佐久良涙が現れた。一般的な服装ではあるが、明らかにオーラというものが違う。これが芸能人、いや、アイドルというものなのだろうか。角に隠れているはずなのだが、自然と前のめりになっていく仲上の肩を引っ張る。そして佐久良は会議室の中に入った。
「では仲上さん。お願いします」
「お願いってなんだよ」
「あの人たちは、ただいま会議中。少しですが、声が漏れます。こっちのことは任せて、仲上さんは情報収集をお願いしま~す」
そう言うと、長谷川はまた般若の仮面をかぶった。こうなっては長谷川は言うことを行かない。諦めて自分行こう。
「だが、一つ条件がある」
「なんでしょう?」
「会議の中で俺の名前が出たら、欠かさず報告をしてくれ」
そう言って、仲上はこの場を去った。そして曲がり角で人とぶつかった。
続く
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