星宮

楽しかった時間が多い分、離れる瞬間は強く痛い。

割り切れない自分との闘い。

本当は涙なんて見せたくなかったのに。

困らせるって判ってたはずなのに。


時間は止まることは無い。

だから僕は踏み出さなきゃいけない。

切符を取り出し、荷物に手を伸ばし、君を見る。


本当は、改札口を過ぎてから、振り返るのがやっとだった。

僕と君とを隔てるものがあるのに、

もう一度君の姿を見るなんて出来ないから。

我慢が、出来なくなってしまうから。

力無く、手を振り返すことが精一杯。


だから僕は、自ら選んだ場所に立ち、

窓から夜を瞳に映しながら、君を想う。

あの灯りの下に、君は居るのかと。


僕を見送ってからの君は、何を思うのだろう?

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