第3話 web小説について語る

 時系列が前後しますが、ここではweb小説について語ったことをまとめて書きます。


・web小説は、読者がついている作品を選んでいる。人気作品は同じような設定だったとしても、読者が大勢ついている作品は今までのライトノベルと違う独自性がある作品が多い。編集と作者と作っているとブームがやはりあって、他の作品と被ってしまうことがある。(例として、タイトルは言わなかったけれど同時期にアニメ化された「学戦都市アスタリスク」と「落第騎士の英雄譚」をあげた)


・webで書籍を意識して行間を空けないで書いている人を見かけるが、出版するときは改稿するから、横書きで読みやすいように行間をあけたり改行してある作品のほうがいい。(発表する場所にあった形で書いて欲しい) そもそもライトノベルは余白が多い本なので、横書きで行間を空けないのは読みづらい。


・タイトルで面白さが語れる小説がいい。


・作品の面白さを一言で伝えられる作品がいい。というのは、「どこが面白いの?」と尋ねられたときに説明をするより、一言で面白さを伝えて相手に「面白いじゃん。読んでみよう」という気持ちにさせられる作品が強い。


・いろいろ設定を練って山あり谷ありのストーリーより面白さが右肩上がりの作品を10万字(本一冊分)の中に詰め込んで欲しい。おいしいところは出し惜しみしないで、序盤からバンバン出して欲しい。面白さのインフレが初めから最後まで続いている作品のほうがヒットしている。


・1巻分で話をまとめたら続刊できないと思っている人がいるが、1巻のクライマックスまで面白さを引っ張った後、2巻の始めで少し落としてそこからまた面白さのインフレを作る方法がある。


・ライトノベルは本を読むのに慣れていない人が読むことが多い。短文でわかりやすい表現がいい。テンポ感大事で余白いっぱいの作品が好ましい。(なぜかここで「おにぎりストッバー」推し。あの作品は行間が詰まっているはずですけれど……。謎です)


・想定読者は絞るべき。多くの読者へ向けて書くと、個性がなくなったり平凡になる事が多い。作品を読んで欲しい読者層を想定して作られた作品の方が魅力がある場合がある。


・有森氏が「この作品を売りたい」と思える作品を読みたい。自分の感性に自信があるから自分が好きな作品しか(拾い上げ)考えてない。


・今のカクヨムは黎明期なので、分析して書くより、尖った物にも挑戦して欲しい。


・書籍化が決まってから出版するまでにかかる時間は3ヶ月から1年。特にファンタジア文庫は全文改稿も多いので、それくらい時間がかかる。




 次はラノベの展望と質疑応答についてまとめます。

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