緊張の夏? ナザリックの夏の風物詩?
「はい、い~ち、に~い、さ~ん・・・」
というアウラの掛け声に合わせ、鉢巻きと目隠しをしたリュートが、おでこを身の丈より少し短いメイスの柄に当て、声に合わせてクルクルと回って、フラフラとしている。
何とか真っ直ぐに立たせてもらい、メイスを持たせて貰った。
「真っ直ぐね!」
とアウラが言うと、とたたと走り始めるが、フラフラしている所為か、段々と横にそれた。
「ちょ、ちょっと右!」
そのマーレの掛け声に合わせ、曲がり始めるとUターンを始め、振り被って戻って来た!?
「違う違う! 反対!」
突撃されそうなシャルティアの焦る様な掛け声で、何とか軌道修正。
「行き過ぎ行き過ぎ! 戻ってー」
アウラに誘導される先には、二つの小さな穴の開いた緑と黒の縞々布袋と、その布袋と同じ
布袋が十に対し、一の割合で点在する一つの塊。もの言わず、微動だにしない塊の周囲に並べるかのように布袋が配置されている。
「そこそこ! 良く狙って!」
「振り被るのです!」
「お、思いっきり!」
「ん? やっている様だな」
「「「ア、アインズ様!」」」
即座にその場に膝を屈っする守護者達を後目にリュートの方を見ると、メイスを振りおろして赤い飛沫を撒き散らし、あさっての方向に
「あ! アインズさま、失礼します!」
余りに慌てたシャルティアが素でそう言うと直、
「フム、リュートよ、見事だったな。だが・・・アレでは食べられそうもないな」
そう言われ、リュートが振り返ると、爆散し、跡かたも無いスイカ。
なんてこった! ととても悲しそうで、今にも泣きだしそうだ。
「所で、スイカの側にある
「あ! アレはデミウルゴスがスリルがあった方が面白いだろうからって、埋めて行ったモノです」
良く見ると、さっきまで全てが懸命に動き回っていたが、ピクリとも動かなくなっていた。
余りの恐怖に、失神したらしい。
「・・・そうか。だが、アレでは食べられないだろう? するのであれば、
『ハイ!』
その後、コキュートスに水風呂で氷塊と共に抱いて貰って程良く冷やされたスイカをアウラ、マーレ、コキュートスと皆で食べて満足したリュートであった。
・・・ ・・・ ・・・
リュートがお腹一杯になってお昼寝した後。
スイカ割り、夜の部? が開始された?
「・・・さて、ではスイカ割りの続きを始めようか」
「・・・わっちはそのままが良いでありんす。潰してしまってからだと流石に・・・」
「フム、それもそうだね」
「ナラバ、コレヲ用イルノガ良イダロウ」
そう言ってコキュートスが取り出した蛇腹状の武器。
「それは?」
「カツテ、ぺロロンチーノ様ガ御作リニナッタ、武闘扇・破理殲」
「まぁ! ぺロロンチーノ様が!」
「では、生で行きたいモノはソレを使って、それ以外で構わないモノはそれぞれで棒を用意する様に。
・・・どうせ一撃で粉々になるのだから」
それぞれ耐性や暗視用アイテムを外したり封印し、さらに
回転数はレベル数に準じて。
結果。
「フム、思ったよりも難しいモノだね」
「けれど、面白かったでありんす」
外したらしいデミウルゴスとシャルティアは、ピッキー製スイカのカクテルで乾杯。
シャクシャクとスイカを丸齧りしながら、「ウゥ
目が幾つもあり、更には複眼を持つコキュートスは、デミウルゴスに目の前でクルクルと指先を100秒間高速回転させられての参加だった。
「・・・新鮮なお肉ゥ」
「フフフ、やはり生食に限りますね」
日頃から目に頼らないエントマは七節昆で見事カチ割った、ソリュシャンは両目を外して気配を探りながら武闘扇・破理殲で叩き当てていた。
まだ割られずに残ったモノ達は、また次回という緊張と恐怖に満ちた夏になったのだった。
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