BAR『ポストの墓場』

月白鳥

第17785世界線

Log 00000-N 『店内情報一般』★

【Log 00000】~【Log 00000-b】

【Log 00000 : 特殊業務に関する簡易マニュアル 序文】


 当店では様々な世界から流れ着いた記録及び記憶について、恒久的に保管・共有するサービスを実施しております。当店ではこれらサービスを『特殊業務』と制定し、一般または外部スタッフに補佐をして頂いています。

 以下では、特殊業務の遂行に必要な最低限の情報を示したものです。詳細な業務内容及びその他の知識についてはマスターにお尋ね下さい。


  ――BAR『ポストの墓場』 店長



 〔不定期で項目が増える場合があります。 :マスター〕

 〔H.29.2/20 ログ保管庫のナンバリングについて追記しました。 :マスター〕



【Log 00000-a : ログナンバーの読み方】


・ 当店に保管された文書・映像・音声他、あらゆる媒体に記録された情報(以下、ログ)は、全て通し番号及び付記によって整理されています。以下に通し番号の分類基準、及び通し番号から分かる情報について記しておきます。


・ 【Log XXXXX : -】は、ある事象に関するログに割り振られる通し番号です。複数文書が同一の番号を割り振られている場合、それらは全て同一事案に関するログであることを示します。ログナンバーにはログに関する情報が簡単に付記され、その多くは回収場所、時間、或いは回収された媒体の種類です。


・ 【-X】は、ある通し番号を振られたログが複数存在する場合に、それぞれのログへ割り当てられるサブナンバーです。サブナンバーはおおむね時系列順に割り当てられ、アルファベットが若いものほど古いログであることを示しています。尚、サブナンバーは最も時系列の古いログには付記されていません。


・ 一部ログには〔付記〕が示されることがあります。付記はログに示された記録に関する客観/主観的な状況説明、或いは付記者の個人的なコメントです。文書形式のログには付箋で、デジタル形式のログには音声の書き起こしに付随する文書によって付記が添えられます。尚、コメント以外の付記に付記者の名前を書く必要はありません。


・ 【Live Log】は、マスターが手慰みに書いている文書の一部です。マスターの書斎に保管されており、多くは店内で起こった出来事に関して綴られています。業務の方針に基づき、一部Live logを除き誰でも閲覧可能です。尚、他のログに関連した事案を綴っているLive Logは「*」を付けた状態で、当該ログと一まとめに整理されています。


 〔Live Logを私の前で読むのは止めて下さい。恥ずかしいです。 :マスター〕

 〔マスター羞恥心なんてあったんですか? :ヨシタカ〕

 〔マスターが朝から塞ぎこんでるのはお前のせいか。 :ギルバート〕



【Log 00000-b : ログ保管庫の使い方】


・ ログ保管庫には取得日時に関係なく、ナンバー順にログが保管されています。また、保管庫には同一ナンバーのログに関する簡単な情報が付記されています。ナンバーの分からないログの参照依頼をお客様から要請された場合は、付記されたタイトル情報から探して下さい。


・ ログ保管庫に保管されているものは「永久番」と「変動番」の二種が存在します。


・ 永久番は世界線の保持・修復に重要な役割を持つと考えられるログナンバーに与えられ、当該のログには「★」を付記し、永久にそのナンバーで固定されます。尚、世界線保持・修復に重要な情報であると考えられるものの、情報量が足りないものは永久番予定とし、「☆」が付記されています。


・ 変動番は拾得直後一時的にそのナンバーへ保管されているものです。変動番のログは当該事案の収束・解決後、適当なログへ再編成されます。再編が終了次第、旧ログナンバーには《→(適当なナンバー)》によって再編先のログナンバーを付記します。



〔近頃ログの取り違えが多発しており、常連のお客様から苦情が上がっています。付記をよく読んだ上で正しいログをお客様に提示してください。 :マスター〕

〔そんなこと言われても、ログが時系列順に並んでないんじゃ…… :ヒナタ〕

〔取得日時だけでなく、サブナンバーをきちんと参照してください。 :マスター〕

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