第22話

 物語のプロットを書く上で、プロだとどうしても外せないのが、文字数です。


 文字数が決まっていると、好きに書いて好きに終わる、ということができないので、私のように物覚えの悪い人間はプロットを詳しく書くことから始まります。


 依頼された文字数が、10万字であれば、前後2,000文字に合わせて、物語を完成させなければいけないのです。


 それは、97,000文字でも103,000文字でもいけないということです。


 そんなにきっちり文字数を守れない、という方は、ある意味、すごく苦労すると思います。


 苦労するというのは、多く書いたら描写やエピソードを削りまくらないといけない。

 少なく書いたら、描写やエピソードを増やさないといけない、ということになります。

 それも書き終えてから作業するということは、物語に矛盾や余る伏線を作ってはいけないということです。


 書きたいことがありすぎて、書きながら物語のエピソードが増えていくタイプと、わたしのような決められたエピソードから物語の主幹があまりそれないタイプと、最初に作ったエピソードや物語の主幹が矛盾していって最終的に全く違う終わり方になるタイプなどが有ります。


 主幹からそれないタイプは、すごく楽な反面、描写が少ないと文字数が少なくなっていくデメリットが有ります。わたしのようなタイプは丁寧な描写が必要になるので、無難な文章になることが有ります。また、主幹を決めて書くために、キャラクターが生きて、キャラクターに合わなくなったエピソードが書けなくなっても、軌道修正が割合楽だったりします。


 他のタイプの作家さんにも似たような苦労や特徴があると思います。


 話はそれましたけど、文字数は大切です。

 文庫本、230P書く場合、1P換算16行✕40文字です。約148,000字だとします。

 それより多くなってはいけない場合、230Pに近づける努力をしなければいけません。

 少なければ、その文字数に近づけるようにしないといけません。


 ※ 追記

 ここで大切なのは、依頼された形式です。もし依頼が文字数できたときは上記のようにしなければなりません。

 しかし、原稿用紙できたときは、原稿用紙何枚なのかよく聞いたほうがいいでしょう。原稿用紙一枚に月いくらという単価になるかもしれないからです。

 それから、ページ数で来た場合、もしそれが文庫であれば、ページ数は重要です。割付というのがあるかもしれないですから。

 なので一太郎などで文字数でしか表記されないものは、予定より多くページを使ってしまう可能性があって、実際そういう先生もいましたから、あとで削らないといけないということになりかねません。

 文字数なら文字表記を気にする、枚数なら枚数を、ページならページ数を。


 好きに書いて好きに出せるような出版社や場所ならば、文字数なんてせせこましいことを考えなくても大丈夫だと思いますが、原稿用紙450枚という規定があったならば、それを越えてしまうようなことは、あまりしないほうがいいということです。


 物語のエピソード数や内容から、大体の文字数が分かるようになれば、素晴らしいことだと思います。原稿用紙3枚の仕事を頼まれたら、その枚数を越してはいけないのです。

 だから、プロになろうかなと思っている方は、文字数を制限した練習をしてみるのも面白いかもしれないです。

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