草稿

1.草稿

 今回からやっと「草稿」の説明に入ります。


 草稿とはなんぞや? と思われる方も多いと思います。


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 草稿とは簡単に言うと、ざっと書いたまだ見直し推敲校正の入れてない原稿のことになります。

 ※これはわたしのなかでの認識です。


 いわゆる一番最初に書いた物語ということですね。


 もちろんここで終わる方もいらっしゃると思います。最初に書いたものが完成品と考えておられる方は、それで大丈夫です。この章を読む必要はないと思いますよ。


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 草稿とは、あくまで完成する原稿のまえ段階のものです。


 プロットであらすじを書き、そこからもっと詳細な肉付けをして、物語として読めるものにすることです。


 この草稿を書き上げたとき、たいていの人は満足して、そこで終わってしまいます。


 けれど、物語をより面白く、読者が読みたいな! と思うものにするには、草稿の段階では、まだまだ未熟なのです。


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 草稿を書き上げたら、まずしないといけないことがあります。


 それは、


 1. お話が順番にわかりやすく並んでいるか。


 2. 場面や人物の説明が適切な場所にあるか。


 3. 説明不足、わかりにくい場面はないか。


 4. もっと盛り上げられる場所に肉付けできないか。


 大まかに言うと以上になります。


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 草稿を書き上げたばかりのときは、すごく満足感があって、物語に何の過不足もないと感じてしまいがちです。


 だから、わざと一か月以上、発表しない、自分も読まないで引き出しにしまってしまう、という作家さんもいます。


 それを、「寝かせる」と言うことがあります。


 食べ物の材料で、寝かせておいておく、と言うことがあります。


 それは、材料をより美味しくするための過程です。


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 でも、物語は料理の材料のように勝手に熟成したりしません。


 物語の「草稿」を寝かせる、というのは、書き上げたばかりの自分の心持ちを冷静にするためなのです。


 なぜ、冷静にさせないといけないのでしょうか?


 それは、「草稿」を客観的に見るためなのです。


 自分の文章の荒さを見分けるためには、自分自身、物語から抜け出てしまった頃合いに、読み返すことが必要になるのです。


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 では、荒さが見えるようになったらどうしたらいいのか、次回は推敲の説明に入りたいと思います。


 ※追記


 お話に肉付けできないか、ということの他に、無駄な部分をそぎ落とせないかというのがあります。

 オンラインノベルの場合は、肉付けして、キャラクター同士のやり取りが長いほうが面白い場合もあるので一概には言えないですが、文字数が決められている場合は、なくてもさして困らない部分は削除してもいいと思っています。その代わりにキャラクター個人のそれぞれの良さや過去をエピソードにして肉付けしていくほうがキャラクターはより一層生き生きとしてくると思っています。


 また、起承転結の並びとして、盛り上がりを前半に持ってくる場合もあるので、物語のバランスを考えながら、順番を変えていくことも必要になってきます。

 てんでバラバラな起承転結のない物語は、非常に退屈なものですし、読者が疲れます。

 物事の起こり、キャラ気うたーの肉付けや物語の肉付け、それらが絡まり合うエピソード、物語が進展していく様、それらのいろいろな要素が意味あるものに展開していく様子、更にその要素が謎解かれていき、大団円を迎える。

 こういった一連の流れになっているか、再度確認を取る。

 カタルシスを得ることができるようになっていたらまずはOKだと思います。

 更に良くするための作業が、草稿の段階以降から必要になります。

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