6.プロット

 こんばんは。この講座一つ、だいたい一時間かけて書いてる私です……。


 さて、今回は、<草稿>を構成する文章について説明します。


 <草稿>を構成する文章と自分で書いていて、このとき何を考えてこういう事書いたか、まるっきり忘れてしまい、かなり焦っています……。


 何となく思い出したので書きます。


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 前回、下記文章をさして、<プロット>と説明しました。


 ▼ ▼ ▼ ▼


 1-a.

 両親が亡くなったのはエイタが成人した15歳の時だ。妹はそのとき10歳。路頭に迷っているところを救ってくれたのは隣人のヤスケ夫婦だった。子供がいないヤスケ夫婦はまるで実の子供のように、エイタたちに親身になってくれた。

 エイタが二十歳になったとき、ミイの様子がおかしくなった。ふとしたことで転んだり、スプーンが持てなくて落としたり……。とうとう膝が曲がらなくなり、立つことができなくなった。身体がこわばり、徐々に動かなくなっていく。村の医者に見せると、原因がわからない見たことがない病気だといわれる。苦労して町の医者に診てもらったら、流行病ではないようだが、最終的には息もできなくなって死ぬといわれてしまう。たった一人の肉親を失うのは、エイタにとって耐えられないことだった。しかし、医者に見放されてしまい、絶望するエイタをヤスケ夫婦は慰める。そんなエイタの村に、一人の呪い師ベンケイがやってくる。その呪い師は時折ふらりとやってきてはよく効く薬を分けてくれたり占いをしてくれたりするのだ。


 ▼ ▼ ▼ ▼


 これを基本に話を膨らませていくと、それが<草稿>になります。


 いまのままでは、概略でしかなく、お話として完全ではありません。


 どうすれば良いのか?


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 まず、基本中の基本、文章がどのような構成で成り立っているのかを説明します。

(間違えてる可能性が高いので先に謝っておきます)


 文は、文節と文節の組み合わせで構成され、さらに文と文のまとまりを段落とします。


 文節を論理的に解釈した場合、読点(、)にかかわらず、文内のひとつの意味をなす塊自体を指す場合がありますが、私はおよそ、読点で区切った塊を文節と解釈しています。


 また、この解釈に沿って、句点(。)の塊を文と見なします。


 文の塊を改行するまでの塊を段落とします。


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 文節は正しい文法によって構成されなければ、かけ離れた意味を読者に伝えてしまいます。

 ※ ()内が文節。


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(私は)(ペンを)(持っています。)

(私は)(ペンに)(持っています。)


 ▼ ▼ ▼ ▼


「を」と「に」の使い方を間違えると、意味は全く通じなくなります。


 しかし、


 ▼ ▼ ▼ ▼


(私が)(ペンを)(持っています。)



 ▼ ▼ ▼ ▼


 という文であれば、文節の使い方は間違っていません。


 この、「てにをは」は基本中の基本となります。


 ちなみに「て」で例をあげるなら、下記となります。


 ▼ ▼ ▼ ▼


(往きて)(還りし)(物語)


 ▼ ▼ ▼ ▼


 文中の、(往きて)の「て」に当たります。今で言えば、(行って)(帰った)(物語)になるのでしょうか……。


 とにかく、「て」は結構使う言葉でもあるので、使い方には気をつけましょう。


 ちなみに(行って)(来た)の「て」は「てにをは」です。


(痛くて)(辛い)の「て」も「てにをは」です。


 非常に使い方が幅広いので、一語間違えてしまっただけで、意味が通じなくなってしまう可能性があります。気をつけましょう。


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 話は戻りますが、「は」「が」の使い方で、よくわからないという方がいます。確かに主語に伴う言葉ですが、使い方によって、時間経過や距離、文中視点、様々なことが表現できます。


 かくいうわたしもつい最近まで、誤って使っていたので、割合意識している方は少ない可能性があります。


 癖になってしまう前に、気をつけていると、非常に便利なので、損はしないと思います。


 文中で「主語+は」を使った場合は視点は、「は」の人物にあります。


 反対に「主語+が」を使った場合、「が」の人物(もの)を「は」の人物が見ていることになります。


 また、「主語+は」(学校から)(帰ってきた。)という文と、「主語+が」(学校から)(帰ってきた。)という文章では印象がかなり違ってきます。


 どういう風に違うか分かるでしょうか?


「は」の場合、すでに帰ってきていたような印象があります。それ対して、「が」の場合、たった今帰ってきたような印象になります。また、視点に関しても、「は」は本人自身の言葉、または「神視点」と呼ばれる「作者から見た視点」で語られることになります。


「が」の場合、「が」に付随する人物を他者が見ている視点となり、その人物自身の言葉(文)ではないことになります。


 わかりにくくてすみません。例を上げます。


 Aは学校から帰ってきた。(A自身または作者視点の言葉・B不在)


 Aが学校から帰ってきた。(BがAを見て思った)


 また、上記に説明を付け加えると、文をA視点で構成させたとき、Bその他の人物は、必ず「が」で主語を始めなければなりません。


 なぜなら、視点の主体は「A」にあり、「A」の目から見た状況であるため、同じ文の中でAからBに主体を入れ替えることは出来ないのです。


 Aは天井を見上げて不思議に思った。Bは同じように視線を上に向けた。AはBへ視線を移し、睨み付けた。Bはその視線に驚いた。


 上記の段落の中で主体(視点)はAとBの間を行ったり来たりします。そうすると、文章がわかりにくくなり、もし主語が抜けた場合、誰が何をしたかも分からなくなってしまいます。誰が何をしているのか、主体は誰なのか、そういった基本を間違えると、文章自体が破綻します。もしくは読みづらいものになります。


 Aは天井を見上げて不思議に思った。Bも同じように視線を上に向けた。AはBへ視線を移し、睨み付けた。Bがその視線に驚いた表情を浮かべた。


 同じように、B視点に変えた場合、下記のようになります。


 Aが天井を見上げて不思議そうにしている。Bは同じように視線を上に向けた。AがBへ視線を移し、睨み付けてきた。Bはその視線に驚いた。


 視点を変えることで、文も変えなければいけません。なぜなら、AはBの心中を知ることは出来ず、BもAの心中を察することなど出来ないからです。


 この考えをあやふやにすると、下記のようになります。


 Aは天井を見上げて不思議に思った。Bも同じように不思議に思って視線を上に向けた。AはBへ視線を移し、疑いを感じて睨み付けた。BはAがなぜ睨むのか分からず、その視線に驚いた。


 上記の文章は書き慣れてない方もしくはあまり文章を書くと言うことを意識してない方に起こりがちです。


 段落中の視点は必ず一定のものとし、心情心理を書く場合も主体になる人物だけにしましょう。


 お話をわかりやすくしようと考えるならば、そうした方がうまくいくからです。


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 引き続き、<草稿>を構成する文章、視点について説明します。



 ※追記


 この「は」「が」の使い方の違いがごっちゃになっている方は、往々にして、文中で使い分けられていても、どちらも主体に考えるので、視点が混乱していてわかりにくいとおっしゃいます。

 読みにくいのであれば、書く側が気をつければ良いのですが、読み手の誤解は書く側ではどうにもなりません。

 また、文と文、特に段落でわけられた場合において、たまに文意のために視点が「A」「B」入れ替わることがありますが、段落でわけられている場合はセーフです。これも視点が入れ替わって読みにくいという方もいらっしゃると思いますが、書く側が意図しているのであれば、もしくは文意としてそういうふうに書かざるをえない場合は、あまり気にしなくていい問題だと思います。私の意見なので、他の方は違うと思います。

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