4.プロット
おはようございます。今日も夜中に目が覚めて寝られない私です。
さて、今回は、<プロット>から<草稿>を起こすやり方について説明していきます。
が、
その前に、<草稿>とは何か、という説明をしていきます。
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<草稿>とは、原稿の下書きのことを指します。
私が前回より使用している<プロット>も原稿を書いていく下地を作るための作業です。
両者とも、個人的にはだいたい意味が同じであるため、私個人は、<プロット>=<草稿>というふうに認識しています。
しかし、言葉というものや認識は人によってとらえ方がまちまちです。
<草稿>とは、ほぼ全てのお話を書いたもので、推敲前の段階である。という方もいれば、第一校(一番最初の段階の書き終えた)のお話を指す方もいます。
私はもっと前の段階で<草稿>という認識をしているので、前もって説明しておきました。
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さて、本題ですが、さすがに<プロット>を<草稿>と混濁して一緒くたにしているわけでもないので、<プロット>をより詳しい状態にしたものを、<草稿>と称しています。
前回、例として出したあの例文よりも詳しく肉付けしていったものが、<草稿>です。
どのようにどこが違うのかと言われると、箇条書きではなく文章の連なりになっていく部分が違うと思います。
<プロット>では箇条書きで状態を簡単に説明して終わっていましたが、<草稿>は状態だけでなく簡単な心情まで書いていき、なおかつ、箇条書きと箇条書きの行間も埋めていく作業も指しています。
慣れてくると、<プロット>の段階からすぐに<第一校>に移ることが出来ます。
もし、あなたが、書きたい文章や主人公、脇役の台詞や見せ場がきちんと書けるのであれば、<草稿>は必要ないと思いますので、この講座は必要ないと思います。
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1-a.主人公には病気の妹がいる。
(1)主人公は妹と二人だけの家族である。
(2)その妹が突然病に倒れる。
(3)八方手を尽くすが、原因が分からない。
(4)諦めかけたとき、村に旅の呪い師が通りかかる。
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上記の例を<草稿>に書き直していきましょう。
この段階に進んだら、主人公達の名前も書いていくとわかりやすいです。
主人公:エイタ
妹:ミイ
隣人:ヤスケ
呪い師:ベンケイ
(かなり適当なのはご勘弁)
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1-a.
両親が亡くなったのはエイタが成人した15歳の時だ。妹はそのとき10歳。路頭に迷っているところを救ってくれたのは隣人のヤスケ夫婦だった。子供がいないヤスケ夫婦はまるで実の子供のように、エイタたちに親身になってくれた。
エイタが二十歳になったとき、ミイの様子がおかしくなった。ふとしたことで転んだり、スプーンが持てなくて落としたり……。とうとう膝が曲がらなくなり、立つことができなくなった。身体がこわばり、徐々に動かなくなっていく。村の医者に見せると、原因がわからない見たことがない病気だといわれる。苦労して町の医者に診てもらったら、流行病ではないようだが、最終的には息もできなくなって死ぬといわれてしまう。たった一人の肉親を失うのは、エイタにとって耐えられないことだった。しかし、医者に見放されてしまい、絶望するエイタをヤスケ夫婦は慰める。そんなエイタの村に、一人の呪い師ベンケイがやってくる。その呪い師は時折ふらりとやってきてはよく効く薬を分けてくれたり占いをしてくれたりするのだ。
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こんな感じで文章に直したものを<草稿>と私は個人的に言っています。
しかし、この段階ではお話は出来上がっていません。ただこういうことがあったよという状況を描写しているだけです。
この中で起きる事件や物事に対して、エイタやミイ、ヤスケたちの心情は描かれていません。絶望した。親身にしてくれた。それくらいです。
この状態でセリフを付けただけのお話を人に読んでもらっても、「あらすじみたいだね」と言われるのが落ちです。
ですが、<草稿>の段階だとこれが正解なのです。まだ出来上がってない、お話の下書きなのですから、気楽に作っていくことが大切です。
ただし、読者に読んでもらって、という段階ではありません。
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しかし、この段階が必要な場合があります。
投稿をしようという方がいたら、ピンとくるかもしれませんが、800字や400字であらすじを書きなさいと指示されたとき、<草稿>や<あらすじ>の段階のものが必要になります。
お話を書き終えた後、もしくは書く前に、草稿の段階で、800字にお話をきちんと説明できるか試してみると面白いかもしれません。
800字という制限内で綺麗にお話を説明できるならば、あなたが自分のお話を理解している証拠でもあるからです。
必要な骨子だけを相手に伝え、些末な枝葉を刈り取った状態にできるということは、お話の本質を理解しているのに他ならないからです。
ここで戸惑い、どうしても長くなる方は、本筋と枝葉の区別がついてないのかもしれず、お話を書き始めてもあらすじ通りに書けなくなることが多いです。
※ 追記
大事なのは一部始終あらすじ通りに書かねばならないことではないです。たまにはキャラクターの性格上違う展開や台詞が思い浮かぶと思います。そういうときはそれに従ったほうが面白いものになると思います。
そうすると必然的に、その後のお話しやエピソードを書き換えねばなりません。
それを怠るとお話しは見事に破綻します。
あらすじと違う動きになってしまったときはちゃんと先のことまで面倒見てあげましょう。
お話のテーマを理解し、骨子をきちんと書けるようになれば、必ず、お話を最後まで書けるはずです。
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では、次回は<草稿>を構成する文章について説明します。
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