9.あらすじ

 おはようございます、こんにちは。


 今回は、<テーマ><主題>がいかにお話の核であるか、を説明します。


 全く無反応の講座を毎回書いてて、自分の実力と天秤にかけたとき、こんなこと書くべきじゃなかった。隠しとけば良かった、と思わざるを得ないわたしです。


 急に書くのを辞めたときは、身の丈を思い知った馬鹿が存在した事実をどうかご理解ください。


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 さて、自虐的に説明を始めます。


 <テーマ><主題>をなぜお話を書く際に決めなければいけないのか?


 お話を書こうとしている方は一度は疑問に思うと思います。


 まず、一つは、お話をぶれさせないため。もう一つは、読者に作者が何を伝えようとしているか知らせるためです。


 この<テーマ><主題>は、お話の骨子として、背骨の役割を果たします。


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 背骨のない生き物のことを、軟体動物といいます。体が柔らかなことは悪いことではないですが、気持ち悪い印象を見るものに与えます。食べると大概おいしいんですけどね。


 しかし、お話に関しては、軟体動物では「おいしく」ならないのです。ざんねんです。


 お話に求められることは、読み始めてから読み終わるまでの間に、骨子に筋が取っているかどうかです。ぶれのない骨子は<わかりやすさ>を読者に与えてくれます。それによって、読者はより深く、お話を理解していくのです。


 ただし、骨子のみしっかりしていれば大丈夫なわけではありません。


 それに付随していくものもおいしいと感じさせねばなりません。


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 骨子以外のものとは、血肉です。骨骨人間では人間ではなく化け物です。標本でしかなく、<あらすじ>そのものです。


 <あらすじ>に血肉を与える作業が必要であり、その血肉も骨子に見合ったものでないといけないのです。


 おもしろさと目新しさ、奇抜さだけで手足や目鼻を付けると、やはり、化け物になります。


 そういうお話は読者に嫌悪感を与えます。


 あるべき場所に形の良い手足と目鼻を付けてあげなければならないのです。


 その上で、マニキュアを塗ったり、髪を染めたり、瞳の色を変えてあげたり、派手な衣装を身につけさせることも可能なのです。


 あくまで、骨子があり、血肉があり、アクセサリーがあるのです。


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 さて、そんな説明じゃ分からないという方がいると思います。うまく説明できるか不安ですが挑戦してみます。


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 <うる星やつら>という漫画を知ってる方は多いと思います。


 宇宙人が地球を侵略しようとやってきますが、侵略するかしないかは地球でただ一人選ばれた人間に任されてしまいます。対戦相手は宇宙人の娘・ラム。選ばれた地球人は諸星あたる。ラムと鬼ごっこをして捕まえられたら勝ち。結果的にあたるはラムを捕まえることに成功し、地球は助かります。しかし、あたるの思いも寄らない行為のせいで、ラムに求婚したことになり、押しかけ女房・ラムがあたると生活を始める、というエピソードでお話は始まります。


 骨子は、ラブコメディ。あたるがラムのことを好きかどうか。しかも愛してると言うかどうか。あたるとラムの愛の駆け引き。全てのお話の基本はこの部分にあります。


 血肉の最も重要な部分は、ラムがあたるにべた惚れしているためにいろいろなお話にアクセントがつきます。ラムやあたるを取り巻く様々な脇役によってお話の手足、目鼻が構成されていきます。お話の設定や脇役の設定が血肉になって骨子を構成していきます。アクセサリーはお話の所々で発生するエピソードのことです。


 骨子と血肉は密接な関係です。切っても切れないものです。しかし、血肉だけでは骨子は存在できません。それこそ軟体動物です。


 設定だけでお話を作れないのと同じです。読者に伝えたい骨子<テーマ><主題>があってこそ、血肉である設定やアクセサリーであるエピソードが際立つのです。


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 お話を考える際に、どうしても血肉の方やアクセサリーに考えが行きがちになり、骨子を全くおろそかにしてしまうことがあります。


 そういうお話は結局読み終えた後、「一体なにが伝えたかったのか分からない」と言われてしまうのです。


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 また反対に、骨子ばかりが目立ち、ぎすぎすにやせた体でぼろしか纏ってないお話を書いたとします。


 そういうお話は読んだ後、大概、「地味」「あらすじ? またはシナリオ?」「よくあるはなし」と言われがちです。


 骨子を取り巻くいろいろな設定や脇役が魅力的であるほど、骨子ばかりが目立たず、バランスの良いスタイルを作り上げることが出来るのです。そこに、生地や縫い方のしっかりしたデザインの良い服を着せることで、エピソードが際立つのです。


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 しかし、残念ながら、これは概念であって、これを読んだから、とても面白い物語が書けるわけではありません。


 全てはお話を考えるあなたのセンスにかかっています。


 頭の中に描くすばらしい絵を描くだけの技術と再現力を養わねばなりません。


 それは大変なことであり、一朝一夕で身につけることは出来ません。


 たくさんのお話を失敗しながら、たくさん書くことで身につけていくしかないのです。


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 次回は<結>とは何かと言うことについて説明していきたいと思います。


 まじで、いま、自分の作品が自分で書いてる概念に添えてるか恐ろしい気持ちでいるわたしです。


 しかも、書いている概念が少しでも初めて書く方の手助けになっているか分からなくなってきてます^^;

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