同率首位

遺恨精算マッチが行われ、守山に凱歌が上がった。


あの日以降、ヤンキースは変化した。


八幡のリードに首を横に振る投手がいなくなり、ピンチになれば、内野陣が集まり投手を叱咤激励するようになった。


守山を筆頭にチームが一丸となりチームの勝利に執念を燃やした。


それはバッティングにも変化が見られ、3番陳は、今までのようにホームランを狙う打撃ではなく、得意のリストを使い広角に打ち分ける安打と俊足でツーベースやスリーベースヒットを量産するようになった。


ホームランの数は20と昨年に比べ減少したが、打率は324にまでアップし、中距離ヒッターとして勝利に貢献する。


4番八幡もチームに溶け込むようになり、バッティングの状態も上向きになり、リードも冴え渡った。


5番の守山は三振の多い典型的なホームランバッターだったが、ツーストライク後からは長打を狙わず、コンパクトなスイングでヒット狙いに撤した。


この勢いで、昨年の覇者ゴールデンズとの首都圏ダービーマッチを連勝で制し、首位のヤンキースとのゲーム差を0.5のままキープした。


ヤンキースに連敗したゴールデンズは自力優勝の可能性が無くなり、監督が責任をとる形で今季限りでの辞意を表明した。



そして首位を走るエンペラーズは、今夜から3位京都ボンバーズとの三連戦を祇園球場で行う。


ヤンキースの重量打線がクローズアップされがちだが、エンペラーズの打線もそれに劣らない。


トップバッターの大和は

打率325 ホームラン16 打点64盗塁数はぶっちぎりの61


2番櫻井は打率365と浅野に次ぐ2位。ホームランは24、打点は87盗塁は27をマーク。


3番トーマスは打率316 ホームランは32、打点はトップの102


4番高梨は打率286 ホームラン28、打点は86と一時期のスランプから脱出した。


5番垣原は打率302 ホームラン18、打点76


大和から垣原まで気の抜けない打線はヤンキース以上に厄介だ。


今夜の先発はエンペラーズが齊藤、ボンバーズは昨年の新人王アンダースローの灘と発表された。



齊藤は投球が冴え渡りボンバーズ打線を僅か2安打無失点、1四球と完封し10勝を上げた。


打つ方では、高梨のスリーラン、大和のソロアーチで4点を上げた。



二戦目は左腕の廣澤が七回を2失点に抑え、八回から中継ぎのグリフィズが3人で抑え35ホールドを記録。

最終回は守護神、土方が抑え32セーブをマーク。


打線は6番松浦の13号ツーラン、櫻井のタイムリーで辛くも3対2で逃げ切る。


三戦目は高峰がマウンドに上がる。


しかし2対2で迎えた九回の裏、1死から代打天野にサヨナラホームランを打たれ、18勝目はお預けとなった。


エンペラーズはヤンキースとのゲーム差が無くなり同率首位となった。



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