第2回「死霊の正理と活用」

キミとつながる?ラノベADV

『Planet Blue geographia』


第2回「と活用」

メシア暦2016年3月8日(火曜日)


 明日、3月9日は東インド諸島インドネシアで皆既日蝕が発生し、日本列島でも部分日蝕が見られるらしい。もっとも、予報では気象条件に不安があるが。


「晴れると良いわね、明日」


 放課後、私達は校舎の屋上にいた。なぜならば、耐震強度を無視したドS鬼畜的強引告白系「壁ドン」により、壁どころか塾の建物自体が倒壊したからである。私がこの件を、性別不明・年齢不詳の中二病先輩ことたちばな立花りっかに報告した結果、『建物語タテモノガタリ』という某社のパクリにしか思えないタイトルの漫画小説として出版するとの回答を、大韓共和国(韓国)中央情報機関の無料盗聴アプリケーション「高麗コリアンライン」経由のメッセージで受信した。私はその時、心の底から「どうでもいいよ」と思ったのであった。


「ねえねえ、ここから大坂城は見えないの?」


 仁さんのこの言霊は、早速企画倒れ寸前だった『建物語』に若干の延命を施すには、あまりにも充分過ぎた。


「見えるわけないでしょう? 貴女、馬鹿じゃないの?」


「どうして? 今度『馬鹿』って言ったら、あっちゃんを刺し殺すよ^^」


「…」


「貴女の目は節穴かしら? せっかく屋上に来たんだから、景観をよく観なさい。関東平野は、周辺を山地に囲まれているの。しかも、ここから大坂に至る視線には、日本アルプス山脈がある。要するに、山が多過ぎて無理よ」


「そうなんだ! じゃあ、お山様にどいてもらえば良いんだね^^」


「…あのね、どうやって? レーザー兵器で山脈を焼き融かすつもり?」


「学校の屋上から『めぐちゃん砲』を連射する仁さん…あ、悪くないかも」


「乱暴なのは良くないね。じゃあ、この学校をお山より高くしようよ!」


「一体何メートルになると思ってるの? ここから大坂までの距離を底辺、山脈の標高を通る斜辺を設定すれば、高さを計算できるかも知れないけれど…」


「めぐちゃん、もう疲れた…味噌煮込み麺を食べてから、おねんねする」


「建築費用を調達するには、何を売却すれば…って、ちょっと聴いてる?」


「みっそにっこみ~♪」

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