第15話 説教される住人。

「あのなぁ、いい加減命綱くらいつけたらどうなんだ? あんな高いところからこう何度も落ちていたらその内こんなもんじゃ済まなくなんぞ」

「そうですよ。そろそろ懲りて下さいよ……」

 ロゥタの家の中からは、いつも通り二人組みの治療術師の呆れたような説教が聞こえてくる。今まで耳にタコどころかイカができるくらい繰り返されたその説教は、そのうちイカがナマコになりそうな勢いで今日も繰り返されているらしい。

 懲りないから、あのクッションを開発したわけなのだが。


 走りながら、マスターはちらりと格納庫に鎮座している人工の翼を見やる。

 こんな鉄のカタマリが、本当に空を飛ぶのだろうか?

 マスターは自分が立ち止まって考え事を始めないように、一気にその場を走り抜けた。

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