二月一日

 森林地方へ行くには砂漠を横断する必要があり、気温の低くなる夜に移動することに。それでも昼間の暑さに体力を奪われ、私も大石くんも意識朦朧になりながら砂漠を歩いていると、スナネコの幻を見る。いや幻じゃなかった。スナネコは私たちに興味を示し、住居にしている洞窟へ案内してくれた。中に入ってみて驚いたが、このスナネコ、本能の赴くままに穴を掘ることだけでなくて、地面に絵を描くことまで覚えている。フレンズとして生活しているだけでは別に絵を描く必要なんてないだろうに、想い出を記録したいと思ったということなのかしら。

 スナネコの話によると、1年ほど前に知り合った「かばん」というヒトのフレンズに私たちが似ているという。ヒトなのに「かばん」だなんて変なの。スナネコは去年3月の例のサンドスター・ロウの濃度が高まった時期に、博士に頼まれて港の方へ行ったとのこと。もっとも、穴を掘るのに夢中でしかもすぐ飽きたのでそれ以外のことは覚えてないらしい(笑)。でも「かばん」はその港から海へ旅立ったのは間違いないと。機会があったら私も「かばん」に会ってみたい。それと、この子がサーバルと一緒にジャパリパークを旅してたんだって!

 「かばん」とサーバルが入っていったという道をスナネコに教えてもらった。バイパスのトンネルだ。暗いせいもあってか、外よりはひんやりとして移動しやすくなった。これでバスがあったらスイスイなんだけどね‥‥ともあれ徒歩で進むことにした。

 途中、遺跡風巨大迷路アトラクションへの入口も見つけたのだけど、遊んでる時間は無いので寄り道せずに通り過ぎた。そういえばここ、結局オープンできずに終わったんだったわ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る