とうとう。。

翌週(二月四週目)月曜。。早朝、ケアマネの城田さんからショートメールが届きました。

{お父さん、とうとうお金無くなりました。後で又連絡します。。}


とにかく職場に行くしかありませんでした。。

午前中はとにかく仕事。。で昼休みに城田さんに父がどういう状況か聞きましたが、城田さんもまだ父には会っていないようで、ヘルパーさんからの情報しかなく、いづれにせよ生活保護だ!という事で福祉課の担当の方に電話。。今日なら外回りではないけれど、明日から三日外回りと聞き、豊田所長に事情を話し、早退させてもらって、まず、旦那さんに電話をして説明しようとしたら、「お父さんから電話があったよ。」と言うのです。おそらくSOSの電話だったのだと思います。

しかし、私は助けるつもりはありません。。その事は旦那さんを安心させる為この電話で名言しておき、その足で福祉課へ出向きました。

実は三年前の所長と私はその後の事を相談し、約束していたことがありましたが、それが全く引き継がれていないようで、お役所らしいなと思いました。最初の話から初めて、私が手助けする意思のない事をまず、わかってもらいました。

所長は水道代の使い方といい、「独居生活不能ですね。。」と言いながら要介護四である事と特養の判定基準としての点数を確認されていました。それは通常入所の判定ではなく、緊急枠でのお話のようで、今はギリギリで四月から点数が上がるらしく四月以降であれば入所OKです。との事でした。(この時はそう言っていました。)それまでショートステイ等組み合わせれば何とか。。。などなど小言の様におっしゃっていたことを覚えています。それでも段取りとしてはまず、生活保護を受けてもらわないと、父の命の危険という特別枠は使えないらしく、続いて生活支援課の方との相談となりました。

最初窓口で。。と聞いていましたが、非常にデリケートな親子関係の話という事で、個室を用意してくださいました。

まず、本人の意志がないと申請は出来ない事。有り金が六万円以下でないと許可が出ない事。生活保護を受けたならたとえ親子でも援助をした場合、その金額を保護費から引いて支給となる事、父の場合の生活保護費は十二万円で年金を貰っている場合その金額を引いての支給となり、決して贅沢はさせないという事。家賃の上限は五万二千円でそれ以上の金額の借家の場合、強制的に家賃の少ない都営団地などに転居させる事。転居の費用は保護費から特別予算で出る事。医療費は無料、水道代の基本料は無料で基本料以内で使用する事。超える使用は独居生活能力無しとの判定で、施設入所、施設入所に適応外の場合、見合った病院。。との事でした。


私は父とは二人きりで会いたくありません。あの人は自分が苦境にある時、必ず人のせいにして、周りに当たり散らします。

話し合いが終わり、城田さんに電話すると、夕方ヘルパーさんが入るらしく、私はその時間を狙って実家へ向かいました。

チャイムを鳴らすと、「どちらさん!」と父の声。。「有加です。」と言うと「開いてるよ。」と返事があった。。

どうも私の方が一足早かったようで、ドキドキしました。

父は裸でオムツもはいていない状態。。目は血走り、かなり焦っているようでした。。「まぁ~随分派手にお使いのようで。。」と私が言うと、「あなたのせいですよ。。あなたの電話代をず~っと支払わされていたから。。」

ドコモのらくらくホン。しかもガラケーの使用料の事だと思いました。私が買って父にプレゼントする際、操作方法や各種手続きなどの時にお嬢様のご名義にされていた方が何かと都合が良いと売り場の方に薦められて、私名義にしていただけの事。。父が持っている携帯ということです。。「じゃぁ、本体を渡して頂戴。。解約しておきます。。」と言うと、まだ、お前のせいで金が無くなったと怒こりっぱなしでした。。「それよりオムツぐらいはいて頂戴。。」見るとエトロの服が所狭しと並んでいる。。この時はまだ壁にぶら下がってもいました。。

「このジャケット一着で十年分ぐらい電話代は払えるわよ。」というと「屁理屈だ~」と暴言を言っている時にヘルパーさんがやってきて、私はホッ!としました。

今度は頼んでも居ない食べ物をヘルパーさんが買ってくるからこうなった。。と言い出す始末。。

私「まぁ、とにかく生活保護を受けましょう。」と言うと

父「そんなものは受けない。」

私「うけないとご飯どうするの?」

父「じゃぁ受ける。」

私「家賃がここは高いから引っ越しね。」

父「そんなことはできるはずが無い。居住権がある。お前は社会の事をちっともわ   かっていない。

私「馬鹿ね~強制引っ越しっていうのがあるの。。安い都営に移されるの。追い出  されるんじゃないの。。」

父はハッ!とした顔でおびえているようでした。。


私「それから水道代。。基本料までよ。」

父「それだけは譲れない。」

私「あのね。私は今、介護の仕事をしてるの。お年寄りはみんな排便で苦労してる。みんな浣腸したりしてトイレでしたりオムツでするのが当たり前なの。。

今の様に使ってたら一人暮らしは無理で施設入所になるわよ。」

父「それは困る虐待される。」


とにかく今日は急きょ来た事、そしてこれから戻って仕事だと嘘をつきました。それから前の仕事の様に休んだりできないから手助けは出来ない事。ケアマネさんやヘルパーさんのいう事を聞く事。それだけを言いおいて早々に引き上げました。


最後に一言言いました。。

「まぁ~何とかなるわよ。。」。。。って。。

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