セミナー「手の治癒力」
私が昔通いかけてやめた専門学校は鍼灸の学校でした。今の様に若者が通う学校では無く、まだリハビリという言葉もそれほど浸透していなかった頃の整形外科の医師や、子育てを終えたお母さん。今の様にスローライフと言う言葉も無かった頃、粟とか稗とか、真っ茶色な弁当を持ってくるオッチャンなんかが同級生の専門学校。確か。。若者はクラスに六~七人位しか居なかった。。。
中学、高校を音大の付属に通っていたのは母の遺言を守る為、すなわち音符の読める歌手になる為でしたが、私がノイローゼになった事で、一年遅れで父が進めたのが鍼灸の専門学校でした。母が医療過誤で亡くなる前、鍼灸のお世話にもなっていた事から、母の遺言を守れなかった私の罪の意識を擽られて受験をしたのですが、入学してすぐに父から経済制裁を受ける事になったのです。つい最近、私と同じ被害の経験者の手記を読んだのですが、彼女の場合も一旦被害は無くなるも父親は次の機会をネジくり出して再び被害が始まっているのです。私の父もその後、十年近く経って、再び愛人になれなど言ったのですから、この時、翌年の学費を私が支払えない等をキッカケにしようとしていたのかもしれない。しかし、私は抱える精神的後遺症とでもいうのか?自暴自棄になり、学校をやめて実家を出て、いろんな人を傷つけながら、勿論自分も傷つけながら、ボーダーギリギリまで落ちていきました。
{手には不思議な力がある。。}この頃からそういった事はなんとなく感じていた。。。このセミナーを申し込んだ時はまだ豊田所長が私が希望した風呂介助を阻止しようとしている事を知りませんでしたから、私は利用者様の髪を洗う時など、同じ数分で洗うのなら、何か気持ちを込めたい。このセミナーの先生は大学の教授でもある。。どこかのにわかヒーラーの話などではないだろう。。そんな気がして申し込んでいたのです。
人はタッチする側もされる側もオキシトシンというホルモンが分泌され、相手に対する信頼関係が増すという事が医学的にもわかっているそうです。そしてオキシトシンと言うホルモンは癒し効果がある事もわかっている。。では?どういうタッチが良いのか?
オキシトシンを分泌させる方法として、スキンシップ、人に親切にする。優しい言葉がけ、感情を発散させるなどあるように、優しい、親切な、思いやりをもって、タッチする事。。
高齢者に対しては、認め、寄り添い、支える。。すなわち、ゆっくり、やや圧をかける、手のひら全体で触れる、触れる瞬間と離れる瞬間、触れる手の温かさ。などがポイントとなってくるようです。
それらを机を並べた人たち数人ずつに別れて、お互いのタッチの感覚を確認したり、何通りかの感情の言葉をタッチだけで伝えるといったワークをしました。
要は介護は「心」。言葉もタッチも乗っけるモノ次第!なのかもしれない。
人の一生としてスキンシップが一番大切なのは、乳幼児期と高齢者が最も必要な時期なのだそう。。高齢者には同意を得て、穏やかな、明るい、思いやりを持ってタッチする事はその方を幸せな気持ちにするだけでなく、介護者にもオキシトシンがいっぱい出て癒しの相乗効果になるそうです。
その他痛みに対する相乗効果などを勉強しました。
一番の収穫は。。{ユマニチュード}
「見る。」「話す。」「触れる。」「立つ。」
この四つが基本のフランスの哲学を元にした介護の手法。
「触れる。」がタッチのこの授業と関連があるということで、
報道特集で流されたイヴ・ジネストさんが来日された時の動画をみました。
私が偶然にも米倉さんのトイレ誘導でしていた事と同じだったのです。
{見る。。}
見つめる。。親しみを持って。。笑顔で
{話す。。}
愛情をもって「大丈夫。。」と安心させる。。
{触れる。}
米倉さんの状況を感じ取って、同意も得て、手を触ったり、背中をさすったり。。
{立つ。。}
米倉さんはダンスしましょと言った時、最初はすんなりと。。
二度目は 自発的に立ち上がろうとされたので私はあわてて支えました。
大切なのは「心」この部分は私がどんなに新人でも間違えてはいないのだ。とこのセミナーを受けて確信が持てました。
例えばお年寄りで認知機能がかなり衰えた方は元気な時、例えば高倉健さんのファンだったとしても、高倉さんの写真を見ても誰だか分からなくなります。
でも、無名な人でも笑顔、怒った顔、困った顔、悲しい顔の四枚の写真を用意して高齢者に見てもらって「誰が好きですか?」と聞くと、笑顔の人を指さして反応するといった映像もみました。
笑顔はコミュニケーションとして絶対に必要なのだという事も確信が持てた。。
と同時に既存のやり方だけで満足していたらいけない。。新しい情報はどんどんとりいれたい。。そういった前向きなチームで仕事をしたい。。
そしてこの{ユマニチュード}は奥が深い。。あらためて深く学習したいと考えて授業は終わりました。
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