第十回 秋月記(葉室麟)
<あらすじ>
筑前の小藩・秋月藩で、専横を極める家老・宮崎織部への不満が高まっていた。間小四郎は、志を同じくする仲間の藩士たちとともに糾弾に立ち上がり、本藩・福岡藩の援助を得てその排除に成功する。藩政の刷新に情熱を傾けようとする小四郎だったが、家老失脚の背後には福岡藩の策謀があり、いつしか仲間との絆も揺らぎ始めて、小四郎はひとり、捨て石となる決意を固めるが―。
※引用:Amazon.co.jp
https://www.amazon.co.jp/dp/404100067X/ref=cm_sw_r_tw_dp_690Bxb5WHFPMV
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物語は、江戸後期の秋月藩。専制的な家老・宮崎織部を倒そうとする青年たちと、暗躍する福岡藩の争いがストーリーライン。
僕は郷土史家として福岡藩を研究しているが、この時期は「幕末前夜」という事もあり、非常に興味深い。特に作中に時折描写される「銭の無さ」は、その後も続いていくもので、結局は福岡藩も秋月藩に肩代わりさせなければならなかったほど、困窮していたのだ。作品では言及されなかったが、その辺りを考えさせられた。
追伸、この作品は、私に取って忘れられない作品である。というのも、私が小説の師と仰ぐ葉室麟先生と、一生の友と呼べる存在に出会ったからだ。
その友は、作中に悪役として登場する渡辺帯刀の子孫。帯刀の子孫は、その後秋月の家老として復活し、今も秋月の為に頑張っている。本当に、この作品は僕の一生を左右した作品かもしれない。
ああ、久し振りに秋月に行こうか。久助の葛を食べ、登場した人物達の墓を参ろう。
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区分:江戸時代(後期)
ジャンル:歴史小説(時代小説要素あり)
続編:なし
こんな物書きにオススメ:信念を持つ主人公を書きたい人
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