3-6:ライチ2
状況を整理しよう。リッカちゃんはさらわれた。その行き先はリッカちゃんの家。そして、公園は魔法領域と化している。
「さて、どうしたものか」
マモリから報告を受けたライチは悩んでいた。
敵の狙いはおそらくミライ君だ。だが、その理由が分からない。いや、まったく当てがないというわけではない。おそらく、ミライ君の『記憶』が狙いだろう。
『記憶』は、並の魔法使いが持てる言葉ではない。もしも、リッカちゃんが元の持ち主であれば、その力をおびき寄せ、また一つに戻すという敵の狙いは不自然ではない。
であれば、今できることはなにか。さしあたって、無策に飛ぶこむのは悪手だ。少なくとも、ミライ君が万全の状態でなければいけない。それと、まだ知らなければいけないことが、一つ残っている、とライチはふんでいた。
ミライ君の力は強すぎるが、約束という言葉に縛られているようにも見える。その約束自体が、なにか、魔法だとしたら……。
「いや、考えすぎだ。そもそも仮設が多すぎる」
ライチはあえて声に出し、思考を一度停止させた。
考えすぎてドツボにはまるというのは、良くない。いますべきことは決まっている。休み、明日に備えることだ。
ライチは自分の心理世界へと入り、魔力を整えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます