3-1:ミライ&マモリ&ライチO

三人の目の前から、リッカは消えてしまった。いや、黒魔法使いに連れ去られてしまった。


「はやく、助けないと……」

「いや、慌てるのはまだ早い」

焦るミライを、ライチが止める。


「いいかい?よく聞くんだ。まず、キミは今、魔力をほとんど使い果たしている。このまま助けに行ったんじゃ助けるどころか返り討ちだ」

「それに、あいつらがどこに行ったのかもわかんないしね。ライチさん、調べられそう?」


ライチはあたりを見渡す。リッカが消えた転移魔法の痕跡はかすかに残っていた。

「調べられないことはないけど、ちょっと時間がかかりそうだ」

「でも、その間にリッカが……」

ミライの焦りは消えない。


「そこは安心していいはずだ。どうにも少し引っかかるところがあってね」

「どういうことです?」


「黒魔法使いが現れた時、俺たちはほとんど魔力を使い果たしていた。つまり、リッカちゃんを黒に染めるのが目的なら、俺達の目の前でやってしまっても良かったんだ」

「たしかに、そーなったらもうアタシ達じゃ手におえないもんね」


ライチとマモリの言うとおり、あの状態でリッカが黒に染められたら、勝ち目はなかったはずだ。

「ということはつまり、目的は他にある、と?」

「ああ、そうだ。それが場所なのか時間なのかはわからないけど、何か条件があるんんじゃないかと思う。まずはそれを調べないといけないとにかく、今日は魔力の回復を最優先だ。」

ミライとマモリはその言葉に頷き、それぞれの家へと帰っていった。

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