1-15:ライチE

三人の意識は現実世界に戻っていた。

「これで終わりだ。あとは彼女が目覚めるのを待つだけだね」

「どれくらいで目覚めるんですか?」

「早ければすぐにでも。遅くとも明日の朝には自然に目が覚めるから安心していいさ。」


「あの、ありがとうございます!」

「なに、お礼なら横で膨れてるマモリちゃんに言ってあげなよ」

「そーよそーよ!アタシだって頑張ったんだからね!」

「あ、ああ、ありがとう……」


「それじゃあ俺は先に戻るよ。ちょっとやることがあるんでね」

ライチはそういうと病院を抜けて、アトリエに戻った。


……アトリエには、ライチを待つ男がいた。

「ご苦労だった」

「これはわざわざ直接赴いていただけるとは。お茶でもどうですか?」

「いや、結構だ。それよりこれを」

魔術組合のメッセンジャーはライチに資料を渡した。


「”漂白者ブリーチャー”が動き出した。詳しくはその資料を見てくれ」

「わかった」

ライチがざっと資料に目を通すと、ある名前があった。

「オイちょっとまってくれ。この一二三 六花(ひとふみ りっか)って……」


「もう接触しているならば話は早そうだ。それじゃあ頼んだぞ」

そういうとメッセンジャーは姿を消した。

「厄介なことになったな……」

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