1-4:ミライ1
ミライは夢のことを考えながら、とりあえず街に出て用事を済ませた。その帰りのことだった。
「なあ、キミ」
ミライに話しかけたのは売れない路上画家だ。
「なんですか?」
「キミ、魔法を信じるかい?」
その質問には、確信に似た自信があった。路上画家、もといライチは、ミライの盛っているカードに、ただならぬ魔力を感じた。ただならぬ魔力、つまり、魔法使いの気配だ。
「え……?」
魔法、その言葉にミライは動揺する。いや、まさか、夢の言葉が、でも、カードは実際に手にある。ならば、この路上画家は、魔法を知っているのか?だとしたら、言うべきか、昨日の夢のことを?
「なにか、聞きたいことがあるんじゃないかい?例えば、そのカードのこととか」
ライチは長い髪の間からミライを見つめた。
「なっ!?」
ミライは驚きを隠せなかった。覚悟を決めるべきかと考え、頷いた。
「OK。詳しい話はアトリエで。ついてきてくれるだろう?」
ライチは笑顔で言い、歩き出した。悪意はなさそうだ。
「はい……」
小さく返事をして、ミライはライチの後を追った。
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