8章 バレンタイン狂想曲(ラプソディー)

第44話40


もうすぐ、バレンタインがやってくる。真央は、パソコンで、大手ネットショッピングサイトで、バレンタインの特集をチェックしていた。


「うーん。高いなあ。ゲッこれ、4000円するの? 有名なブランドのチョコは、やっぱり高いな。」


気になった、ショップのページを開いては、

ため息をつく。


「真央。バレンタインのチョコをチェックしてるんだ。」

「うわ、びっくりした。ミズキかあ。いきなり、背後から声かけるなよー」

「ごめん。私は、そんなつもりなかったけど。」


ミズキは、苦笑しながら、謝る。


「ミズキは、バレンタインチョコどうするの?」

「色々悩んだけど。手作りにしようかなって思ってね。手作りって言っても、チョコ溶かして、型に入れて固めるだけなんだけど。

でも、型一つとっても、色々な種類あるみたいだし、今度、唯花っていう前の学校の友達と買いに行くんだ。」

「そうなんだ。ミズキ、俺も一緒に行っちゃだめかな?」

真央の唐突なお願いに、ミズキは驚く。

「私は、いいけど。なんで? 未希や波奈と一緒に行くんじゃないの?」

「ちょっと、折り入って相談したい事あるんだ。未希や波奈には、相談しずらくてさ。図々しいお願いなのは、分かってるけど。」


真央が、思い詰めた表情で、言う。


「わかった。唯花にメールで訊いてみるよ。多分だめとは、言わないと思う。」


ミズキは、自分の部屋に戻ると、携帯で、唯花にメールした。


「唯花もオッケーだって。次の日曜日。三城駅に10時に待ち合わせだって。」


ミズキは、真央にメールの内容を伝えた。

「10時ね。本当に、ありがとー」


真央は、お礼を言うとミズキに抱きついた。


「真央。嬉しいのは、分かるけど人に抱きつくなよ。ほら。」


ミズキは、真央を引きはなした。

「ごめん。本当に嬉しくてね。」

「前から、唯花も真央に会いたがってたからね。」

「そうなんだ。けど、見ず知らずの俺の相談にのってくれるって本当にいい人だね。」

「面倒見のいい子だから、前の学校じゃ、随分私もお世話に、なったんだ。」

「そうなんだ。」


真央は、唯花に会うのが楽しみだった。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る