彼岸

「ここ、どこ……

誰か、いないの……?」




「ねえ、ねえ。どこ?」






「誰か……」








「いるんなら返事してよ…」








「うう…」









「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」









「誰かぁ」











「一人にしないで……」









『大丈夫』

「誰……?」

『誰だと思う?』

「……真幸?」

『ッチ』


「ヒッィ」

『真幸、なんて男はいない』

「う…」

『お前は誰のものだ?』


「私は……」

『誰の?』

「私は……」

『じゃあ、お前にとって、あいつとは?』

「あいつ……?」

『お前が縋ったやつだ』

「真幸……」

『そうか!お前は真幸のものか!』

「私は、誰のものでm……」

『なら、壊してやる』

「!?」

『お前じゃなく、真幸を』

「いやっ……なんで……」

『なんで?それは、俺がお前を愛し、真幸がお前を愛している。

なら、あいつは、邪魔だ。』

「私は、あなたを愛してない!」

『じゃあ、奪うだけだ。』

「やめ……」

『やはり、な。』

「……」

『壊してやる』

「……ッ、ひ、うああああああああああ」



『愛する。永遠のこの彼岸の世界で。』

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