第16話 ‐帰還-
おお、なんかかっこいいな。上腕部に炎の刻印とか。で、何ができるようになったんだ?
《スキル -火魔法初級・中級・上級・烈級・絶級・神級-を獲得しました。》
《火属性魔法限定-無詠唱-を獲得しました。》
《スキル -火炎耐性Lv1-を獲得しました。》
おー、こりゃ便利だ。便利?ってレベルじゃない気がするけどまぁ生ける炎、もといクトゥグアの力のかけらだもんね。当たり前か。
「あ、その感じだと成功したみたいだね~!いやー、よかったよかった。適合しないと体が燃え尽きちゃったりするから♪いやー、よかったよかった!」
おい、今なんか不安なこと言ってなかったか?…まぁ成功したしいっか!こういう時は現実逃避スルーするに限る。
「で?魔法と耐性だけなの?」
まぁそれでも十分すぎるとは思うんだけどね。
「ふっふっふ、なんと!このガントレットを装備すると炎を腕に纏うことができるのだー!それに伴って威力も上がるし火の魔石が仕込んであるから魔法の威力も高くなるのだー!どーだー!驚いたかー!」
そういってくーちゃんはかなり黒に近い紅色のガントレットを得意げに掲げる。
「なるほど、指先は露出しているのか。かっこいいな!」
「だろう?だろう?これとあとはアイテムボックスを授けよう!」
アイテムボックスね、なんとなく見当はつくね。異世界モノのド定番だしもらっとくか。
「入る量は気にしなくてもダイジョブだよー。」
なんでも空間魔法を取得している者にしか使えないタイプのもので亜空間に保存するから容量オーバーとかありえねー、とのことだった。
形は腕輪タイプ。1.5cmほどの幅で白基調で、中央に黒のラインが入ってる金属製。普通にアクセサリーだな。
便利だネ☆
「じゃぁ最後にお願いがあるんだけどいい?イアルちゃん」
「イアルちゃんはやめてください。って言っても無駄なんでしょうね。で?お願いっていうのは?」
「うん、さっき力を授けたのでも十分なんだけどちゃんと契約しとこうかと思って。この世界ケモ耳の命運は君にかかってるといっても過言じゃないからね!」
「まぁいいですよ、どうせもともと契約してますから。」
「あ、あともう一つ。この世界の各地の迷宮の最深部に封印されていると思われる友達を助け出してほしいんだ。私も出してほしいけど現状無理そうだからね…きっと力になってくれるよ。」
「あぁ、太古の神助け出すとか正気じゃない気もするが友達だもんな。任せとけ、近いうちにこっから出してやるよ。」
「うん!じゃぁイアルちゃんがまたここに来るのを楽しみにして人形で遊んでるよ~」
人形という名の悪夢だけどな。あの巨人。
「じゃぁ契約しようか。」
「契約って具体的にどうするんだ?俺バーストと契約したときは死にかけててなんも覚えてないんだけど。」
痛くないことを祈ろう。
「んー、神それぞれだねー。私の場合はさっきの力に適合すること。あとは指切りげんまんすること!」
…なるほど、簡単でよかった。見た目と違わず子供っぽいな。まぁかわいいからいいとしよう。
「じゃ、契約するよー。指出して―…はいっ」
「「ゆーびきーりげーんまーん、うっそつーいたら「からだをもーやすっ」ゆーびきったっ!」
ちょいまて、物騒だな。絶対約束は守ろう。破っちゃダメ、絶対。
「それじゃぁ早く帰ってあげなよ。ニャーちゃん心配してると思うよ?」
「そうだな、主に飯の心配だろうがな。じゃ、世話なったな。また来るよ。」
「あ、そうそう。この部屋を出るとこの迷宮の入り口に自動で転移するようにされてるらしいから。じゃぁ気を付けてね~。ばいばーい。」
「おう、じゃあな」
しかしにぎやかな神だったな。色々もらったし、余裕ができたらすぐ助けにこよう。
で、またまたゴゴゴ…と音を立てて開いた壁から出る。と同時に光に包まれる。
うん
便利だとは思うんだけどイケメン天使のと違って普通にまぶしい。てか目がつぶれそう。まぶしっ!いや、まぁ特に何があるわけでもないから目瞑ってもいいのか。
目を閉じると全身を浮遊感が襲う。あー、例えるとジェットコースターとかバンジージャンプとかのアレだ。内臓がフワッってなるやつ。うぅぅ、これは慣れそうにないな。
10秒ほど浮遊感が続いた後足が地面につく。を、着いたか。む、やっぱり迷宮の入り口とか人が多いのかな?ちょっと騒がしいな。
目を開けると――
「勇者さま。よくぞおいでなられました。ようこそ、我らの住まう世界へ。」
俺の周りには中世ヨーロッパで使われていたような甲冑に身を包んだ人たちが周りを囲んでいた。
…どうやら俺は運悪く、敵である勇者と間違われて召喚されたようだ。
あぁ、早く地球に帰りたい( ;∀;)
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