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暗闇の中手探りで恐る恐る歩いていると、つま先がこつんと硬い壁に当たる


壁かと思って手を動かしてみるが、そもそも突き出しっぱなしだった手にはなにも触れた感覚はなかった


つまりはただの段差だった


つま先を壁に当てたまま、少しずつ上にずらしていくと、

ちょうど元々の足首くらいの高さまで上げたところで段差は切れた


片足を段にのせ、何度か位置を変えながら踏み踏みしてみる

どうやら両足を乗せるスペースはあるようだった

もう少し大きく片足で探ってみると、またつま先が壁に当たった


とりあえず段差を登りもう一度同じことをしてみると、それも壁ではなく段差だった



あたりは真っ暗で、一点の光もなく、僕は一歩段差を登った

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