第83.5話 5/4
ファミレスで、橘は憔悴しきっていた。
橘「さぁどうだ、二人とも……。かれこれ五時間、私らの話を聞いたわけだけど?」
反対に結城と慧は元気だった。
結城「楽しかったわ! タンパク質のことこんなに語ったの初めて!」
慧「うん、私も楽しかった!」
橘「君らに聞いてないよ! 遠野と氷川だよ! 二人の進路を決めるのが目的だったろ?」
氷川「やっぱり私は文系かな。どの話も面白かったけど、私は数とか分子とか相手にするより、人を相手にする方が好きだと思う」
橘「よし、決意が固まったなら、話した価値がある。遠野は?」
遠野「ん~……」
十五杯目のジュース(糖分補給)を終えた遠野が、高らかに宣言した。
遠野「決めた! うちは情報にする!」
橘「なんでだーーっ!!」
氷川「ちょ、静かに静かに」
橘「文系と理系の話聞いて、なんで情報になるんだよ!?」
遠野「違うんだよ。聞いて」
橘「おう、聞いてやる」
遠野「剣持が、最近は数学の研究にもパソコン使うって言ってたじゃん? パソコンで新しいそすーを見つけてるって」
慧「言ったね」
遠野「結城も、すっごい複雑な分子をパソコンで探してるって言ってたし」
結城「言ったわ」
遠野「橘だって、法律の整理や古典の分析にパソコンが使われてるって言ったでしょ」
橘「言ったな」
遠野「つまり、パソコンが一番偉い」
橘「…………案外理に適ってるな」
遠野「ふっふーん。うちがすっごいパソコン作って、みんなの勉強をサポートするよ!」
遠野は鼻高々だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます