第2話罪悪
コンビニでは俺の殺した女の話でもちきりだった。
「ショックですよ、あんな可愛い子が殺されるなんて、ねぇ、高木さん。」
俺の名前は高木隼人。
「そうだな…。」
作業をしてても隼人は身が入らなかった。
俺には罪悪感はあった…。
そして、店に刑事が来た。
一人一人簡単な事情聴取をされた。
店の奥に隼人が呼ばれて
頭の中はパニックになっていた。
「店長さんですか?」
「アルバイトですけど…。一応店長です。」
「菅原美樹さんと個人的な付き合いは無いんでしょうか?」
「ありません、でも、ショックは受けてます。明るくて元気な子でしたから。」
「ちょっとある噂を聞きましてね。菅原美樹さん、高木さんの事が好きだったみたいなんですけど告白されました?」
「いえ、告白された事は無いです。」
「そうですか…。」
「まぁ、菅原さんの家に行った事はありますか?」
「無いです。」
「そうですか…。忙しい中、すみませんでした。」
ニュースで菅原美樹は大々的に取り上げられた。
隼人の殺した菅原美樹の父親の話しなどが出ていた。
菅原家は有名な財閥だった。
隼人は、その日から眠れない夜を過ごした。
二人を殺した映像がリプレイされる。
歯ぎしり、寝言、多汗症…。
彼女の美羽は心配していた。
最近の隼人はいつもとどこか違う。
隼人は、仕事をしている時だけ解放された気分だった。
何度か警察署前まで行っては帰って来た。
誰かに告白して楽になりたいと感じていた。
人を殺めるのは簡単だがそれを無にする事は難しい。
ある日突然、菅原美樹の執事が隼人を訪ねて来た。
「知ってるんですよ。」
コンビニの裏で二人は話していた。
「何をですか?」
隼人の声が震えた。
「やはりそうでしたか。」
「だから何をですか?」
「旦那様とお嬢様を殺したのはあなたですね。」
隼人は目眩をおこして吐いた。
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