C-32-L『幻想農園』

 様々な効果を持つ野菜が植えられた畑に戦闘エリアを変更する。


 再発動:不可能


 通常戦闘エリアと同等の無敵化された壁と天井に囲われた30m四方の農園内に、合計900個の成熟した野菜が1m間隔で植えられている。それに沿って畑特有の畝があり、足場は若干だが不安定。


 野菜自体は全て手の平に収まる程度の、一般に市販されている物より一回り小さい。これらは生物であり召喚物として扱う。地面の上に出ている葉っぱによって種類が判別可能で、発動者も対戦相手も全員がその効果を把握している。対戦相手が食べた場合でも自分が食べた場合でも他の召喚された生物が食べた場合でも効果は同じ。


 以下、野菜の種類と効果。


 ニンジン:身体能力を強化する。1つにつきE→E+程度。

 ジャガイモ:現在蓄積している疲労を半分回復する。

 ダイコン:負っている傷を癒す。最大で腕や脚の骨折程度。

 カブ:能力の再発動条件インターバルを10秒短縮する。


 ニンジンの身体能力強化は累積し、1つにつき「C-B系能力 強化度ランク」の0.5段階ずつ上がる。

 ジャガイモの疲労回復は全身の疲労によって完全に動けなくなった状態でも立てる程度まで回復する。食べた時点でその人間が感じていた疲労を参照にして半分回復するので、複数食べても完全に疲労が回復する訳ではない。

 ダイコンは食べた人物が負っている外傷を治す。切り傷、擦り傷は当然の事、骨折や心臓以外の内臓が受けたダメージも完治する。指が切断されていた場合、患部が密着した状態であれば接合されるが、完全に失われていた場合は再生しない。脳へのダメージは治せず、腕、脚、首など大きな範囲が切断されていた場合は密着していても接合出来ない。

 カブが短縮するインターバルは、再発動条件に設定されている物のみ。実際に能力が効果を発揮するまでの時間を短縮する事は出来ない。また、食べた時点で複数の能力がインターバル中だった場合、その内のいずれか1つを意識下で選んで短縮する。


 全ての野菜は、咀嚼し、飲み込むまで約10秒程度の時間を要する。これは食べる事に集中した状態での所要時間なので、移動していたり格闘していれば更に必要な時間は増す。野菜を引っこ抜くのにも2秒程度の時間がかかるので、目当ての野菜を探し、食べ、効果を受けるには15秒程度の時間を要する事になる。もちろんこれは他の能力によって短縮が可能であり、『生体移動』によって引っこ抜いたり『四次元口』によって咀嚼時間を省略したり蓄えたりする事が出来る。


 この能力が発動してから5分後に、全ての野菜は毒性のガスを放ち始める。ガスに一瞬でも肌が触れた場合、その生物は死亡する。


 味自体はどれも非常に美味しい。

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